日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロンドン・コレクション」の意味・わかりやすい解説
ロンドン・コレクション
ろんどんこれくしょん
London collection
ロンドンで毎年開催される、シーズンに先駆けた既製服を発表するファッション・ショーや展示会の通称。正式名称はロンドン・ファッションウィークLondon Fashion Week(LFW)。メイン会場はテムズ川沿いのサマセットハウスで、150社にのぼる服飾関係の展示会やショーが開かれる。女性向けが2月(秋冬向け)と9月(春夏向け)の期間で行われ、2012年からは、男性向けがロンドンコレクションズメンLondon Collections:Menとして独立し、毎年1月(秋冬向け)と6月(春夏向け)に開催されている。主催は非営利組織ブリティッシュ・ファッション・カウンシル(BFC:British Fashion Council)。
1975年に開かれたニューウェーブNew Waveとよばれる合同展示会が発端となり、1984年にLFWとしての1回目が開催された。当初は1960~1970年代にロンドンで流行した、モッズルックやパンクファッションの影響を色濃く残した独特のファッションスタイルで一世を風靡(ふうび)した。一時は著名デザイナーのパリ・コレクション進出によって低迷したが、1990年代後半からはニュージェン(ニュー・ジェネレーション・デザイナーズ)とよばれる若手デザイナーの活躍によって復活した。これにはイギリス政府が打ち出したクール・ブリタニアCool Britannia施策により、斬新(ざんしん)な文化における規制緩和や振興策がとられたことが大きく影響しているとされる。
[編集部]