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文化 ぶんか culture

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文化
ぶんか
culture

人間の知的洗練や精神的進歩とその成果,特に芸術や文学の産物を意味する場合もあるが,今日ではより広く,ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式をさすことが多い。

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デジタル大辞泉の解説

ぶん‐か〔‐クワ〕【文化】

人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。「日本の―」「東西の―の交流」
1のうち、特に、哲学・芸術・科学・宗教などの精神的活動、およびその所産。物質的所産は文明とよび、文化と区別される。
世の中が開けて生活内容が高まること。文明開化。多く他の語の上に付いて、便利・モダン・新式などの意を表す。「―住宅」
[用法]文化・文明――「文化」は民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものを意味する。◇「文明」は人間の知恵が進み、技術が進歩して、生活が便利に快適になる面に重点がある。◇「文化」と「文明」の使い分けは、「文化」が各時代にわたって広範囲で、精神的所産を重視しているのに対し、「文明」は時代・地域とも限定され、経済・技術の進歩に重きを置くというのが一応の目安である。「中国文化」というと古代から現代までだが、「黄河文明」というと古代に黄河流域に発達した文化に限られる。「西洋文化」は古代から現代にいたるヨーロッパ文化をいうが、「西洋文明」は特に西洋近代の機械文明に限っていうことがある。◇「文化」のほうが広く使われ、「文化住宅」「文化生活」「文化包丁」などでは便利・新式の意となる。

ぶんか【文化】[年号]

江戸後期、光格天皇仁孝天皇の時の年号。1804年2月11日~1818年4月22日。

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百科事典マイペディアの解説

文化【ぶんか】

英・仏語culture,ドイツ語Kulturなどの訳。欧語はいずれもラテン語culturaに由来し,元来〈栽培・耕作〉の意をもつ。すなわち,動物のそれと区別されるところの,人間に固有な生活様式の総体をいい,しばしば自然に対比される。
→関連項目タイラー

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんか【文化 culture】

日本語の〈文化〉という語は〈世の中が開けて生活水準が高まっている状態〉や〈人類の理想を実現していく精神の活動〉を意味する場合と,〈弥生文化〉というように〈生活様式〉を総称する場合とがある。社会科学の諸分野では第2の意味で〈文化〉という概念を使用するのが普通であるが,この意味における〈文化〉についても定義は多様であり,時代的な変化も見られる
文化人類学からみた〈文化〉】
 文化人類学における文化の定義の中で最も古典的なものは,E.B.タイラー《原始文化》(1871)の冒頭で示した定義である。

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大辞林 第三版の解説

ぶんか【文化】

〔culture〕 社会を構成する人々によって習得・共有・伝達される行動様式ないし生活様式の総体。言語・習俗・道徳・宗教,種々の制度などはその具体例。文化相対主義においては,それぞれの人間集団は個別の文化をもち,個別文化はそれぞれ独自の価値をもっており,その間に高低・優劣の差はないとされる。カルチャー。
学問・芸術・宗教・道徳など,主として精神的活動から生み出されたもの。
世の中が開け進み,生活が快適で便利になること。文明開化。
他の語の上に付いて,ハイカラ・便利・新式などの意を表す。 「 -鍋」 〔「文徳によって教化する」の意で「文選」にある。当初,「文明」と共に英語 civilization の訳語。中村正直訳「西国立志編」(1871年)にある。明治30年代後半英語 culture やドイツ語 Kultur の訳語へ転じた。現在の意では西周にしあまね「百学連環」(1870~71年)が早い例〕

ぶんか【文化】

年号(1804.2.11~1818.4.22)。享和の後,文政の前。光格・仁孝天皇の代。

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日本の元号がわかる事典の解説

ぶんか【文化】

日本の元号(年号)。江戸時代の1804年から1818年まで、光格(こうかく)天皇、仁孝(にんこう)天皇の代の元号。前元号は享和(きょうわ)。次元号は文政(ぶんせい)。1804年(享和4)2月11日改元。1804年は辛酉革命(しんゆうかくめい)の年にあたる1801年(享和1)の4年後で甲子(かっし)の年。甲子は徳を備えた人に天命が下される革令(かくれい)の年で変乱が多いとされることから、先例にならい甲子革令を防ぐ目的で改元が行われた(革年改元)。『周易(しゅうえき)』『後漢書(ごかんじょ)』を出典とする命名。文化年間の江戸幕府の将軍は徳川家斉(いえなり)(11代)。文化年間から次の文政年間にかけて、江戸を中心に爛熟した町人文化が現れた(化政文化)。1804年(文化1)、長崎にロシア使節のレザノフが来航。一行は、幕府が1793年(寛政(かんせい)5)に松前でラクスマンに交付した入港証を所持していた。幕府はロシア使節を半年間港外に留め置いた後、国交樹立と通商の申し出を拒絶した。1808年(文化5)には、イギリス軍艦フェートン号が、敵国フランスの占領下にあったオランダの船舶を拿捕するため、長崎港に侵入する事件が起こった(フェートン号事件)。同年、間宮林蔵が樺太探検に出発している。1811年(文化8年)には、松前藩が測量のため千島列島に来航したロシア船ディアナ号を拿捕し、ゴローニン艦長らを抑留する事件が起こった。相次ぐ外国船の来航に対して、幕府は1825年(文政8)に異国船打払令を出す。また、1806年(文化3)3月4日に江戸530余町を焼き、死者1200人余にのぼる大火が発生した(「文化の大火」、「丙寅の大火」)。

出典|講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文化
ぶんか

漢語としての「文化」は「文治教化」(刑罰や威力を用いないで導き教える)という意味で古くから使われ、文化・文政(ぶんせい)という年号にも使われた。しかし、今日広く使われている「文化」は、ラテン語cultura(耕作・育成を意味する)に由来する英語culture、フランス語culture、ドイツ語Kulturの訳語である。中国でもこの訳語が逆輸入して用いられている。この訳語は通俗的には、たとえば文化住宅、文化的な暮らしという表現のように、近代的、欧米風、便利さを示すことばとして広範に使われてきた。また、これとは別に、学問的な装いを凝らした用法が二つある。第一は、学問、芸術、宗教、道徳のように、主として精神的活動から直接的に生み出されたものを文化という。そこには、少なくとも理念としては、人間の営みを充実向上させるうえで新しい価値を創造するという意味が含まれている。ひと口にいえば、知性や教養ともいえる。この用法は、多くの場合文明と対比して使われ、物的な所産を文明とよぶドイツの思想を受け継いでいる。この用法は、次に述べる第二の用法よりも普及しているし、第二の用法においても、第一の用法の意味が暗黙裏に下敷きとされている場合が多い。第一の用法は普通、個別文化の間に高低・優劣という評価を伴いがちであるが、第二の用法はこうした評価を下さない。すなわち、第二の用法は、あらゆる人間集団がそれぞれもっている生活様式を広く総称して文化とよび、個別文化はそれぞれ独自の価値をもっているから、個別文化の間には高低・優劣の差がつけられないとする。採集狩猟、定住食糧生産、都市居住者の商工業を営む人々の生活様式にはそれぞれ独自な価値があり、その間に甲乙はないとされる。この第二の用法はイギリス、アメリカなどの文化人類学の主張であり、日本にも第二次世界大戦後に急速に普及した。以下、第二の用法の「文化」を説明する。[鈴木二郎]

文化とは

動物の行動はもっぱら遺伝と本能によって支えられているが、人間は、遺伝と本能に加えて、経験と模倣、および言語を通して、集団の一員としての思考、感情、行動を仲間から学習(習得)し、獲得したものを同世代、後世代の人々に伝達する。こうして集団の一員として学習、伝達されるものが、一つのセットとして統合性をもつ総体を文化と定義できる。たとえば国家、民族、部族、地域、宗教、言語などのレベルで、アメリカ文化、漢族文化、エスキモー文化、オセアニア文化、イスラム文化、ラテン文化などがあげられる。これらの一部分を構成して相対的な独自性をもつものをサブカルチャー(下位文化)という。たとえば、個別文化における農民文化と商人文化、東日本文化と西日本文化、貴族文化と庶民文化などが下位文化の例としてあげられる。[鈴木二郎]

文化の起源

文化をもつのは人類だけであり、動物には文化がないというのが通説であるが、この違いを脳の発達程度から説明することはできない。複雑な道具の製作は人類に限られるとよくいわれるが、人類の原初的形態とされるアウストラロピテクスの脳容量は複雑な道具を製作しない類人猿のそれとほぼ同じだからである。人類と動物の違いを決定的にしたのは直立二足歩行である。直立二足歩行によって、人類の大脳に言語中枢が発生し、神経調整が高度化したので、言語が生まれ、複雑な道具の製作が可能になった。言語は、音声が無秩序に合成されたものではなく、各集団が独自に、特定の音声を特定の規則性に基づいて配列し、それに特定の意味を与えて象徴的に使用するものである。こうした言語の発生が、複雑な記憶を可能にし、思考の抽象化と体系化を可能にした。こうして人類は初めて、学習能力を飛躍的に高め、学習内容を正確かつ広範囲に伝達するようになった。この点に人類と類人猿の違い、ひいては文化の発生を認めるのが通説であるが、これに対して、類人猿にも言語が芽生えているし、文化の萌芽(ほうが)があるとして、これを原文化proto-cultureとよぶ考え方もある。[鈴木二郎]

文化の構成要素と構造

思考、感情、衣、食、住、機械、制度などが一つのセットとして集団の文化が構成されており、これらの構成諸要素は言語、価値、社会、技術の4分野に大別される。各分野はそれぞれ独自の機能と相対的な自律性をもつと同時に、互いに関連をもちつつ補足しあい、一つの全体としてのまとまりをもっている。このうち、独自の機能と自律性をもっとも強く保ち、他分野からの影響をもっとも受けにくいのは言語である(借用語は増えても発音、文法の基礎はきわめて変わりにくい)。価値の分野(道徳、思想、宗教、自然観、価値観など)は人間の内面にかかわり、すべての行動の方向決定を左右する。このような言語と価値を重視した視点から、文化に関する前述の第一の見解が成立してくる。慣習、制度、法律から日常的交際を含む社会関係は、他の分野とのかかわりが大きい。技術は、科学・経済的活動、自然への適応にとって中心的役割を果たし、他の3分野と違って、累積的であることがはっきりしているし、進歩という尺度を当てはめることができる。
 各集団はそれぞれ、文化の構成要素を無秩序かつ恣意(しい)的に寄せ集めるのではない。そこには、たとえ個人としては気づかないにせよ、集団の選択意思が働いている。こうした過程のなかで、諸要素は統合され、一つの全体を構成し、結果としては独自性をもつ個別文化が形成される。個別文化を構成する一つ一つの要素は基本的には、全体を構成する部分として機能する。したがって個別文化は、無機物のような集合体でないのはもちろん、価値によって生き方(存続の基盤と方向)を調整する点において、人類以外の有機物とも違うので、超有機的であるともいえる。以上の意味で、文化は統合形態configurationともいわれ、個別文化は独自のパターン(型、類型、範型)をもっており、個別文化は主題themeをもっているということができる。
 ある一つの文化要素、または文化諸要素の複合(組合せ)を地域的な広がりとして把握したものが文化領域である。この際、歴史的な生成の過程に対応して文化層を設定して、これと空間的な広がりを重ね合わせたものが文化圏である。文化領域・文化圏はともに、個別文化の内部にも、個別文化を超えてもみいだせる。[鈴木二郎]

文化の変化

個別文化は長期間にわたり、外部的・内部的な調整を経て統合され、独自なパターンを形成したものであるから、固執性をもっており、変化しにくい。しかし、内部諸要素間の矛盾、または外部環境の変化にうまく適応できないで、統合性が弱くなると、別の新しい統合を求めて変化が生じる。民族性も国民性も不変のものではなく、変貌(へんぼう)するものである。
 文化諸要素のなかには、直接に知覚し、気づきやすいものと、そうでないものとがある。前者は顕在的文化といわれ、後者は文化の基層部に潜んでいるものであって、隠れた文化とか基層文化といわれる。概して後者のほうが前者よりも変化しにくいので、両者の間に変化する程度にずれが生じやすく、これを「文化のずれ」cultural lagという。たとえば明治以降の日本では、産業や制度は急速に欧米化・近代化の道をたどってきたが、日常生活、家族観、男女観などには古い伝統や因習が強く残っており、そこには大きな「ずれ」がみられる。
 文化の変化を引き起こすものは、究極的には当該文化の内部にあるのか外部にあるのか、それは具体的にはなんであるか、という問題は、個別文化の中核にあって統合を規定し、その文化の構造を規定する決定要因を何に求めるかという問題でもある。文化人類学者のなかでは、これをアメリカの人類学者ベネディクトがライト・モチーフ、同じくアメリカの人類学者クラックホーンがエトスとよんで、価値体系ないし精神活動としてとらえている。他方、マルクス主義では、物質的条件、とくに経済行動(下部構造)を決定要因であるとし、生産力と生産諸関係の矛盾からすべての変化が説明される。さらに、文化のなかでの言語・価値の分野を重視して、上部構造である文化は下部構造からの相対的自律性を保つとして、マルクス主義を限定的に解釈する立場もある。これらの論議は多岐にわたり、多かれ少なかれ歴史観、世界観、イデオロギーとも関連しており、定説はないというのが穏当な見解であろう。
 文化を主要な研究対象とする文化人類学の学説史をみても、文化変化を引き起こす究極的な要因は十分には説明されていない。関連する学説としては、単系的進化論(文化は世界中どこでも一様な過程を経て進化する)、独立起源説(人間の精神的素質はどこでも本質的には同一であるから、類似した文化がどこにでも独立的に発生する)、伝播(でんぱ)説(文化の発展を促したような主要な発明・発見は地球上の一か所でおこり、それが各地に伝播する。文化圏もその変形)などが批判されたあとに、多線的進化論(各地の条件に応じて特定の文化が各地で別々に進化する)が唱えられた。これらの論議はどれも厳密な論証を欠き、今日の学界はこの論議にあまり関心を示さない。文化人類学界の主流は、個別文化のいっそう精緻(せいち)な実証研究に励み、文化変化の決定要因の一般化にはあまり関心を示さない。
 他方、文学や思想の分野においては、実証を伴わない文化論が盛んである。こうしたなかで、文化の決定要因を探る努力はいっそう推進されるべきであろう。[鈴木二郎]

文化の普遍性と特殊性

個別文化は独自性と特殊性をもっていて、諸々の個別文化の間に優劣はないというのが文化相対主義である。確かに、個別文化は他の個別文化にとってかえられない独自性と特殊性をもっている。したがって、その文化自体に即して内在的に理解することが必要である。すなわち、個別文化を構成する諸要素の内容と諸関係を把握するだけではなく、それらが当該個別文化にとって、どのような独自な意味をもっているかを解明しなければならない。ところが、ある現象の固有な意味は、類似の現象にみられる共通な意味との違いを前提にして初めて明らかになる。もともと特殊性と普遍性の関係はそのようなものであって、個別文化の理解には汎(はん)人類的な認識が必要である。
 汎人類的なものとして、だれもが人間性(ヒューマニティー)を仮定する。人間性というのは、ホモ・サピエンスのだれもが、幼児期以後に、普通の学習能力をもっている限り、文化によって特徴づけられている社会のなかで育てられるときにもつようになる性質のことである。両性の存在、幼児の無力さ、食と住と性愛という基本的な条件に対応するために、人類は少しずつ異なった(特殊的な)数多くの解答(よしとされ是認された扱い方)を用意している。こうした文化の相対性の底には、すべての文化がもっている基礎的な枠組み(たとえば親族の形態、結婚の規則など)があり、そこに人間性をみいだすことができる。この人間性をもっとも典型的に示すのが近親相姦(そうかん)禁忌(インセスト・タブー)だとされてきた。しかし、この禁忌についても、再検討が進むにつれて、その普遍性を疑問視する説が強まっている。
 こうしてみてくると、文化の普遍性に関するわれわれの認識は、文化の特殊性に関する研究に比べてはるかに遅れていることがわかる。文化の普遍性と特殊性という対照的な極限概念は、車の両輪のような不可分離の関係をもっているし、また、文化を理解し分析するうえでつねに意識され追求されているにもかかわらず、十分には使いこなされておらず、期待しているほどの成果があげられていないので、今後の文化論はこの方向に向けていっそうの努力を傾けることになるであろう。その努力を怠るならば、自らの個別文化によって条件づけられている現実存在としてのひとりひとりの人間が、人類的広がりのなかに展開している無数の異文化を理解して、真の相互理解に達することはむずかしいはずである。[鈴木二郎]

日本文化論

こうした見地からみると、日本文化に関する多くの議論もまた、もっぱら日本文化の特殊性の解明に向けられているので、はたして特殊であるかどうかさえ危ぶまれる。かりに特殊性のみを追求するとしても、その方法論には多くの疑問が提出されている。日本文化論のキーワードとしてあげられるのは、タテ社会、甘え、コンセンサスないし調和、集団志向などであるが、どの概念も不正確であって、現象を描写する叙述概念として使われていると同時に、異文化と比較するための変数としての分析概念としても使用されている。また、適切なサンプル抽出の手続を経ないで、恣意的・断片的な実例や体験だけから一般化が試みられている。さらに、「西洋」や「欧米」を十把ひとからげにしたステレオタイプ的なイメージに基づいて、日本の特殊性が説かれている。また、歴史的に考察しないで、不変の「日本的なもの」があるかのように主張されてもいる。こうした根本的な欠陥をもつ日本文化論、ひいては日本人論、日本社会論が、しばしば政界・財界のイデオロギーとしても国内で喧伝(けんでん)されるばかりでなく、国際社会にも輸出されている。これらの批判を踏まえた新しい日本文化論が、主として外国人の日本研究者を中心として展開され始めている。[鈴木二郎]
『加藤秀俊著『文化の社会学』(1985・PHP研究所) ▽『岩波講座 哲学 第13巻 文化』(1968・岩波書店) ▽『新岩波講座 哲学 第12巻 文化のダイナミックス』(1986・岩波書店) ▽杉本良夫、ロス・マオア編著『日本人論に関する12章 通説に異議あり』(1982・学陽書房) ▽レイモンド・ウィリアムズ著、小池民男訳『文化とは』(1985・晶文社) ▽F・アラン・ハンソン著、野村博・飛田就一監訳『文化の意味』(1980・法律文化社)』

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世界大百科事典内の文化の言及

【カルチャー・ショック】より

…文化的衝撃と訳されることもある。文化とは人間の行動や考え方の指針となる価値体系のことである。…

【記号】より

…白鳩の場合,本来,記号とは考えられていないものが記号と考えられる例であるが,たとえば服装なども実用的機能を果たす以外に,集団への所属やそこでのステータスを表し社会的評価を担っているのである。このように考えていくならば,人間のあらゆる社会的・文化的行動が記号としてとらえられることになる。 人間的なるものはすべて記号と見なすことができ,それは言語によって名指されることにより存在を得る。…

【死】より

…(1)死亡届 人が死亡した場合には,届出義務者(親族,その他の同居者,家主など)がその事実を知った日から7日以内に,診断書または検案書を添付して,死亡地の市区町村長に届け出なければならない(戸籍法86~93条)。(2)埋葬,火葬,水葬 死体の葬り方は国により文化によってさまざまである(遺灰を川に流す国,鳥葬が行われている国など)。日本では,〈墓地,埋葬等に関する法律〉(1948)によって,埋葬(土葬をいう),火葬を原則とし,特別な場合として,船員法15条で船舶の乗員の水葬が認められている。…

【多文化主義】より

…multiculturalismの訳語で,一つの社会において複数の文化の共存を是とし,文化の共存がもたらすプラス面を積極的に評価しようとする主張や運動を指す。人の国際移動が日常化し,多くの大都市が多民族を含んだ空間となっている現代では,しばしば多文化主義が要請される。…

【伝播】より

…文化人類学の用語。二つの文化が直接あるいは間接に接触した場合,一方の文化から他方の文化へ,文化要素の移行・受容が行われる現象をさす。…

【文明】より

…文明の語civilizationがラテン語の市民civisや都市civitasに由来するように,とくに都市の文化をさすことが多いが,19世紀の末に〈文化〉を最初に定義したE.B.タイラーは,〈文明〉と〈文化〉を同一視している。プラトン,アリストテレス,T.ホッブズなどは〈文明〉と〈社会〉を同一視し,文明以前を無秩序な状態(自然状態)と考えた。…

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