改訂新版 世界大百科事典 の解説
ローレンス・バークリー研究所 (ローレンスバークリーけんきゅうじょ)
Lawrence Berkeley Laboratory
通常,ローレンス放射線研究所と呼ばれている。アメリカのカリフォルニア州バークリーにある国立の高エネルギー物理学研究所。カリフォルニア大学が運営にあたっている。1930年,同大学でE.O.ローレンスらによって,最初のサイクロトロンが製作された。その結果,人工的に加速された粒子による高エネルギー物理学が大々的に展開されるようになった。こうして36年,高エネルギー物理学の研究拠点としてローレンスの名を冠した研究所が設立されたわけである。第2次大戦中,この研究所のサイクロトロンは,いわゆるマンハッタン計画に動員され,ウランの分離に用いられた。戦後も,陽子加速器ベバトロンによる反陽子,反中性子の発見など,アメリカにおける高エネルギー物理学のメッカとしての役割を果たしてきた。現在,スタッフは3500人(1979)を数え,4種の加速器を駆使して多方面の研究を推進している。
執筆者:成定 薫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報