わっ

精選版 日本国語大辞典 「わっ」の意味・読み・例文・類語

わっ

[1] 〘感動〙
① 意外なできごとなどに驚いて思わず発する声。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)下「折角の時はわっとも云れぬぞ」
② 敵や人をおどろかすために突然あげる大声
太平記(14C後)八「わっと呼(をめい)て、敵二千騎が中へ懸入り」
滑稽本浮世床(1813‐23)初「ワッと大きな声して戸をあける。いんきょびっくりしてとびのき」
[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 急に激しく泣き出す声を表わす語。
※太平記(14C後)二一「太刀の影に驚て、わっと泣て」
大勢の人が一斉に笑う声を表わす語。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「一度にわっと笑ひだしたものですから」
③ 一斉に陽気に騒ぎ立てる声や音を表わす語。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)六「祝ふてわっと酒にせう」
④ ある事に大勢でとりかかるさま、ある事を大勢で一斉にするさま、また、ある事を一気にかたづけるさまを表わす語。
※後裔の街(1946‐47)〈金達寿〉二「それを見ていた子供の乞食たちは、わっと外の道路へなだれ出て行った」
⑤ 事が不意に起こったり、突然勢いよく行動しはじめたりするさまを表わす語。
※玉塵抄(1563)二四「ただ今までない者のわっとできたを化と云ぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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