アグリッピナ小(英語表記)Julia Agrippina Minor

改訂新版 世界大百科事典 「アグリッピナ小」の意味・わかりやすい解説

アグリッピナ[小]
Julia Agrippina Minor
生没年:15-59

大アグリッピナの長女アントニウスの孫アヘノバルブスと結婚し,ネロを生む。兄カリグラ帝の治世中一時追放されたが,彼が殺され叔父クラウディウスが即位すると,彼と結婚して権勢をふるい,54年ネロを帝位につけるため夫を毒殺したと言われる。その後も権力をふるおうとして息子対立,59年ネロの命令を受けた解放奴隷により,ナポリ近郊で暗殺された。
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世界大百科事典(旧版)内のアグリッピナ小の言及

【クラウディウス[1世]】より

…また,ブリタニア,マウレタニア,トラキア等の征服によって属州地の拡大を実現した。生涯に4人の妻をめとったが,なかでも,メッサリナは姦通したばかりか間男と公然と結婚したかどで処刑され,ネロの母小アグリッピナは夫クラウディウスを毒殺したと伝えられる。【本村 凌二】。…

【ネロ】より

…在位54‐68年。ローマ貴族グナエウス・ドミティウス・アヘノバルブスとアウグストゥスの曾孫女アグリッピナ(小)の子ルキウス・ドミティウス・アヘノバルブスとしてアンティウムに生まれる。49年母がクラウディウス帝の妃となると翌50年帝の養子となり,帝が前妃メッサリナによってもうけた実子ブリタニクスTiberius Claudius Caesar Britannicusより年長のため帝位継承の優先順位を得,53年にはブリタニクスの姉オクタウィアと結婚した。…

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