アナと雪の女王(読み)あなとゆきのじょおう(英語表記)Frozen

知恵蔵 「アナと雪の女王」の解説

アナと雪の女王

ウォルト・ディズニーアニメーション・スタジオズが創立90周年記念作品として製作したアニメーション映画監督はクリス・バックとジェニファー・リー。雪と氷を操る魔力を持った女王エルサと、その妹アナの真実の愛をミュージカル形式で描いている。2013年11月27日の米国公開から14年3月14日の日本公開まで世界50カ国で上映され、同年3月30日に、アニメーション映画の世界興行収入歴代1位(11億2917万ドル)を獲得した。日本では08年の「崖の上のポニョ」以来の、動員1000万人超えを達成しており、観客動員数・興行収入ともにウォルト・ディズニー・ジャパンの歴代最速記録を更新している。
デンマーク童話作家、アンデルセンの『雪の女王』を原案とし、同じように自己犠牲の精神をテーマとしているが、登場人物を始め、ストーリー部分は全く異なっている。
触れるものを凍らせる魔法を持つエルサは、幼少期にアナと遊んでいて、誤ってアナを意識不明の状態に陥らせてしまう。谷に住む妖精・トロールの力を借りてアナは蘇生するが、魔法に関する記憶は失ってしまう。それ以降、エルサは自分の力を恐れて部屋に閉じこもって過ごすが、アレンデール王国王位を継ぐための戴冠式で、魔力を暴走させてしまう。魔法によって凍てついた王国から逃げ出し、自分らしく生きることを選んだエルサと、エルサの払ってきた犠牲と愛情を知り、姉を連れ戻そうとするアナ。エルサの凍った心と凍った王国を救う「真実の愛」とは何かを、見る者に問いかけてくる。
アナの声はクリステン・ベル(日本語吹き替え版では神田沙也加)、エルサの声はイディナ・メンゼル(松たか子)が演じており、それぞれが歌う劇中歌も世界的な反響を呼んでいる。主題歌である「レット・イット・ゴー」などを収録したサントラアルバムは全米のみならず世界中でヒットチャートをにぎわせており、ディズニー公式チャンネルでYou Tubeに公開された「レット・イット・ゴー」は、イディナ・メンゼルが歌うバージョン、デミ・ロヴァートが歌うバージョンともに、日に日に再生回数を伸ばしている。主題歌以外の劇中歌も好評で、劇中歌を歌う映像や、歌を流してそれに合わせて口パクをする映像なども、老若男女問わず世界中からYou Tubeに投稿されている。また、日本でも、「アナと雪の女王 オリジナル・サウンドトラック」の累積売り上げ枚数は約46万6000枚と好評で、アニメ映画のサントラの売り上げとしては歴代1位になった(5月13日現在)。アナと雪の女王関連の歌は「週間カラオケランキング」でも1位を獲得。ゴールデンウィーク限定で、スクリーンに歌詞を表示して観客で歌を歌う企画「みんなで歌おう♪歌詞付版」も上映された。
同作品は第86回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞、歌曲賞の2部門を、第71回ゴールデン・グローブ賞でアニメーション作品賞を受賞した。

(若林朋子  ライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉プラス 「アナと雪の女王」の解説

アナと雪の女王

2013年製作のアメリカ映画。原題《Frozen》。アンデルセンの童話「雪の女王」をモチーフとしたディズニーのアニメーション。監督:クリス・バック、ジェニファー・リー、声の出演:クリスティン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョシュ・ギャッドほか。主題歌「レット・イット・ゴー」も世界的に流行。第86回米国アカデミー賞にて長編アニメ映画賞および歌曲賞を受賞。日本では松たか子、神田沙也加らの吹き替えによる日本語版とあわせ、2014年の年間興行収入1位を記録。「アナ雪」の略称で親しまれ、主題歌の邦題「ありのままで」が流行語となるなど、社会現象化した。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

知恵蔵mini 「アナと雪の女王」の解説

アナと雪の女王

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作のアニメーション映画。監督はクリス・バックとジェニファー・リーの2人。アンデルセン童話「雪の女王」を原案に、凍てついた世界を救う王家の姉妹の真実の愛をミュージカル形式で描く。2013年11月27日の米国公開から14年3月14日の日本公開まで世界50カ国で上映され、同年3月30日、アニメーション映画の世界興行収入歴代1位を獲得。第86回アカデミー賞で長編アニメーション賞、歌曲賞の2部門を、第71回ゴールデン・グローブ賞でアニメーション作品賞を受賞している。

(2014-4-2)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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