アラブ共和国連邦(読み)アラブきょうわこくれんぽう(その他表記)Federation of Arab Republics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラブ共和国連邦」の意味・わかりやすい解説

アラブ共和国連邦
アラブきょうわこくれんぽう
Federation of Arab Republics

エジプトリビアシリアを構成国とする国家連合。 1971年4月にこれら3ヵ国の大統領が設立に合意し,同年 10月の連邦宣言を経て,72年1月に発足。機構的には大統領評議会を頂点とし,その他連邦閣僚評議会,連邦国民議会,連邦憲法裁判所などが配置されている。このうち連邦国民議会は各国の人民議会から選出された代表計 60名をもって構成され,任期は4年で,年間2度の会期を有するが,75年 10月の会期を最後に開催されていない。 71年4月に調印されたバンガージー宣言によれば,連邦の機能は外交の基本路線の設定,防衛および治安維持のための相互扶助,国内経済開発計画,連邦経済開発計画の推進,アラブ社会主義に忠実な世代を育成するための文教政策の導入などである。しかし,現実にはエジプトとリビアの対立が,77年 11月に行われたエジプトのサダト大統領のイスラエル訪問,和平提案を契機として決定的となり,またシリアも同年 12月のトリポリ会議でサダト路線を非難するコミュニケに,リビア,アルジェリア南イエメン (現イエメン共和国) とともに署名するなど,激しい内部対立のゆえに連邦は事実上解体した。

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