アラレガコ

共同通信ニュース用語解説 「アラレガコ」の解説

アラレガコ

カジカ科の淡水魚。太平洋側は茨城県以南、日本海側は青森県以南の川に生息。「カマキリ」「アユカケ」などの呼び名もある。福井県ではあられが降る12月ごろによく取れるためこの名が付いた。沿岸部で産卵し、稚魚が5センチほどになると川を遡上そじょうする。九頭竜川の一部流域に伝統的な漁と食文化が残っており、1935年、国が同流域を生息地として天然記念物に指定。ダム建設などで海と川の行き来ができなくなり、高度経済成長期以降、全国的に減少している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラレガコ」の意味・わかりやすい解説

アラレガコ
あられがこ

硬骨魚綱スズキ目カジカ科に属する淡水魚カマキリ(別名アユカケ)の異名。福井県下でアラレガコとよぶ。あられの降る日に腹を上にして、表層を流れるままに下り、その白い腹に白いあられがあたる情景からこの名が生まれた。

[尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアラレガコの言及

【カジカ(鰍)】より

…春先に河口で産卵し,親は産卵後海に下って死ぬが,子どもはいったん海に下ってから川に上る。福井県の九頭竜川はカマキリの特産地で〈アラレガコ料理〉は名物になっている。アラレガコは毎冬川を下るころ,あられが降ることが多く,真っ白な腹に白いあられがあたるという意でついた名である。…

【川魚料理】より

…生食以外では,アユ,イワナ,ヤマメなどの塩焼き,ウナギやナマズのかば焼き,みそ汁ではコイこく,なべ物ではドジョウの柳川なべ,揚物ではアユ,ワカサギ,ヤマメ,イワナなどのてんぷら,空揚げ,フライといったところが代表的なもので,つくだ煮や甘露煮には多くの種類が用いられる。各地の名物としては,明治天皇が好んだため鰉の字を使うようになった琵琶湖のヒガイ,福井県九頭竜川のアラレガコ,金沢のゴリなどがあり,アラレガコとゴリはカジカの仲間である。
[寄生虫]
 モロコ,タナゴ,コイ,フナなどは肝吸虫の第2中間宿主となることが知られており,魚の皮下組織や筋肉中にメタセルカリア(被囊幼虫)の形で寄生するため,これらの魚を生食すると感染して肝臓肥大,浮腫,貧血,黄疸などの症状を呈することがある。…

※「アラレガコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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