日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アレクサンドロス(古代ギリシアの哲学者)
あれくさんどろす
Alexandros ho Aphrodisieus
生没年不詳。200年ごろのアリストテレス学者。数世紀にわたりもっとも権威あるアリストテレスの注釈家と考えられた。アリストテレスの『霊魂論』に従って、人間の知的能力を、知性を展開させうる単なる可能性としての可能知性(赤ん坊の状態)、感覚経験から獲得された概念を所有している所有知性(大人の状態)、思考を現実に遂行する能動知性、に分析した。そしてこの能動知性を、『形而上(けいじじょう)学』に登場する、自己自身を永遠に思考する「思考の思考」としての神と同一とした点に特徴がある。しかし能動知性と人間個人の心の関係は明らかではない。
[山本 巍 2015年1月20日]
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