アンツィオ(英語表記)Anzio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンツィオ」の意味・わかりやすい解説

アンツィオ
Anzio

イタリア中西部,ラツィオ州ローマ県の港湾都市。ローマの南約 50km,長い砂浜があり,ヨット漁船の小さな港がある海岸行楽地。伝説ではギリシアオデュッセウスの息子アンテイアスが建設したという。ウォルスキ人が前5世紀頃ここを本拠とし,前 338年ローマに征服された。ローマ皇帝カリグラとネロの生地。中世初期イスラム教徒に占領され 1698年再建された。ローマ時代の別荘を再建したビラスピガレリにはフレスコ画やモザイクの床,彫像,コリオラヌスの墓として知られる洞窟がある。西の海岸にはローマ時代の港の遺跡や,ネロの別荘跡がある。ローマ-ナポリ間鉄道の支線終点にあたる。漁業が主産業で,大きな石鹸工場やイワシの缶詰工場もある。ローマ市民の別荘地としても有名。第2次世界大戦中,1944年1月連合国軍が上陸し,その重要な橋頭堡となった。人口3万 2383 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android