イタル・タス(読み)イタルタス

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イタル・タス
いたるたす
ИТАР‐ТАСС ITAR-TASS

ロシアの国営通信社で、本社はモスクワにある。前身はソ連の国営通信社タス。
 タスは、1925年に革命後第一の通信社であったロスタ通信社を引き継ぐ形で設立され、61年にソ連の各社会団体の共営組織としてノーボスチ通信社が設立されるまでは、ソ連で唯一の通信社であった。ソ連崩壊まで、ソ連閣僚会議に属し、ロシアを中心としてソ連、そして海外全土をカバーするニュースネットワークにより、ソ連のあらゆる新聞、ラジオ、テレビの主要な情報源であった。当時は、100以上の国々に支局、特派員をもち、国内ニュースを海外に伝えると同時に、海外からソ連内に入る情報をコントロール、検閲する機関として機能した。また、全世界に配置された特派員を利用して、ソ連の主要な諜報(ちょうほう)システムとしても機能し、共産党幹部への極秘情報も提供していた。ソ連崩壊後の1992年、タスは、ロシアのニュースを伝えるイタルと、海外のニュースを独立国家共同体(CIS)向けに提供するタスの2組織に再編され、イタル・タスと名称変更した。日本に特派員を置いている。[伊藤高史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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