出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
… 抗原のこのような機能は抗原分子全体にあるのではなく,その限定された部位がもつ化学的・立体的構造との関連が深い。このような部分を決定群(基)またはエピトープepitopeと呼び,多くの場合,分子量500~1000で4×2×1nmくらいの大きさをもち,タンパク質抗原ではアミノ酸5~8個,多糖体抗原なら単糖5~6個くらいの大きさからなる。
[抗原特異性とその基盤]
特定の抗原の免疫で生体がつくった(または正常動物が少量もつ)抗体または感作リンパ球は,その抗原に特有な決定群とのみ反応する。…
…(1)第1相の反応 抗原と抗体の結合は,両分子の全体で起こるのではなく,両者の上にあって〈鍵と鍵穴〉にたとえられる関係をもった相互にぴったり合う構造部分の結合によって起こる。そのような結合に関与する部位を,抗原では決定群,エピトープ,抗体では抗原結合部位,アロトープなどと呼ぶ。さらに,決定群と抗原結合部位の結合に関与する物理的力には,相互の構造に由来するクーロンの静電力,ファン・デル・ワールスの力,水素結合,疎水性反発力等の関与が想定されている。…
…ラントシュタイナーの定義によれば,独立では抗原性をもたないが,他のタンパク質(担体)と結合させて投与すれば,特異的な抗体をつくらせ,その抗体と結合する能力を有する低分子物質をさす。現在では抗原決定基はエピトープと呼ばれ,ハプテンの語はより広く,抗原の示す2種の機能,すなわち,抗体をつくる性質とその抗体と反応して血清学的反応を起こす能力の一方または両方を,いろいろの度合で欠く不完全抗原の総称としても用いられる。 今日一般にハプテンと呼ばれるものには次の二つがある。…
※「エピトープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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