エンテロトキシン

栄養・生化学辞典 「エンテロトキシン」の解説

エンテロトキシン

 腸管毒ともいう.腸内細菌が菌体外に出すエンドトキシン.タンパク質の毒素で,一般に酸,アルカリに強く,プロテアーゼでも失活させにくい.例えばコレラトキシン.黄色ブドウ球菌の生産する毒素もこれに属する.原因菌としては,BacillusClostridiumEscherichiaStaphylococcusVibrioなどがある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エンテロトキシン」の意味・わかりやすい解説

エンテロトキシン
enterotoxin

腸内毒素。腸管内で繁殖したブドウ球菌,レンサ球菌などの細菌が生産した毒物質をさす総称。これを宿主が吸収することにより胃炎腸炎などを起す。

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世界大百科事典(旧版)内のエンテロトキシンの言及

【大腸菌】より

…病原大腸菌には,腸管侵襲性,腸管毒素原性,腸管病原性大腸菌,腸管出血性大腸菌の4種類のものが知られている。腸管毒素原性大腸菌は,毒素(エンテロトキシン)を産生し,熱帯・亜熱帯地域の旅行者下痢症の原因菌である。また近年,食中毒事例が目立ってきている病原大腸菌O-157は,ベロ毒素と呼ばれる赤痢菌様毒素を産生する腸管出血性大腸菌である。…

【ブドウ球菌(葡萄球菌)】より

…病原性の弱い表皮ブドウ球菌は人間の皮膚および粘膜上に常在しているが,病原性の強い黄色ブドウ球菌は,連鎖球菌と並んで化膿の代表的な原因菌であり,食中毒の原因菌ともなる。黄色ブドウ球菌の多くは,溶血毒素(α,β,γ,δの種類がある),食中毒症状を引き起こす腸管毒(エンテロトキシン),および種々の酵素あるいは菌体外タンパク質など(ヒトの血漿を凝固させるコアグラーゼ,プロテアーゼ,ヌクレアーゼ,ペニシリナーゼなど)を産生する。ブドウ球菌エンテロトキシンは熱に安定であるため,ブドウ球菌が汚染・増殖した食品を加熱しても中毒の予防にはならない。…

※「エンテロトキシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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