エンデ(Hermann Ende)(読み)えんで(英語表記)Hermann Ende

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

エンデ(Hermann Ende)
えんで
Hermann Ende
(1829―1907)

ドイツの建築家。ベルリンの高等建築学校に学んだのち、美術学校に入り、1858年に優等国賞を得、翌1859年建築士試験に合格した。親友ベックマンとともに西ヨーロッパ、南ヨーロッパ各地に研究旅行を試み、帰国後1860年にエンデ‐ベックマン建築事務所を開設、意匠面において卓越した手腕を発揮した。ドイツ(当時プロシア)本国での活躍はもとより、1887年(明治20)には日本政府の招聘(しょうへい)を受け来日、国会開設に備えた議院建築(旧国会議事堂)をはじめ、司法省、裁判所など中央官庁街の設計計画に携わり、近代日本の建築界に強い影響を与えた。さらに1891年の帰国後も母国の官設建築学院、プロシア美術協会の重鎮として活躍した。

村松貞次郎・藤原恵洋 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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