エンロン事件(読み)エンロンジケン

デジタル大辞泉 「エンロン事件」の意味・読み・例文・類語

エンロン‐じけん【エンロン事件】

米国の総合エネルギー会社エンロンが起こした不正会計事件デリバティブなどの金融技術とITを駆使した革新的なビジネスモデルを確立し、一時は優良企業とみなされていたが、2001年に特定目的会社SPC)を利用した巨額の粉飾決算が発覚し倒産。この事件を契機コーポレートガバナンスが重視されるようになり、2002年、企業の不祥事に対する厳しい罰則を盛り込んだ企業改革法SOX法)が導入された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ASCII.jpデジタル用語辞典 「エンロン事件」の解説

エンロン事件

アメリカのエンロン社の不正発覚事件のこと。1985年にエネルギー会社として発足したエンロン社は、エネルギー業界の規制緩和の中、ブロードバンドビジネスや天候デリバティブ取引も手がける多角的大企業に急成長した。しかし、2001年10月、同社の簿外債務隠蔽を始めとする不正が明るみにでて、エンロンの株価は暴落した。結局、01年末に同社は破産宣告を出し倒産した。さらに、エンロンに続いて様々な企業の不正会計が次々と明るみに出たことで、一企業の倒産にとどまらない大事件に発展し、これを契機に、米国全体のコーポレートガバナンスが問われることになった。02年、企業の不祥事に対する厳しい罰則を盛り込んだサーベンスオックスレー法(通称SOX法)が制定されたのもこの流れによるものである。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android