日本大百科全書(ニッポニカ) 「オイラーの図式」の意味・わかりやすい解説
オイラーの図式
おいらーのずしき
命題、推論を次のように図式化したものである( )。「Aである」「Aでない」をそれぞれ円Aの内部、外部で表す。「AはBである」は円Aを円Bの内部に、「あるAはBである」「あるAはBでない」を円Aと円Bを交差させ、「AはBでない」を、円Aを円Bの外部に書いて表す。推論が正しいということは、その推論の前提を前述の方式で書き上げたとき、結論がすでに書かれていることと考える。たとえば、「AはBである」「BはCである」それゆえ「AはCである」の前提を書けば、円Aは円Bの、円Bは円Cの内部に書かれる。このとき、円Aは円Cの内部に書かれていて、この推論が正しいことがわかる。この方式はオイラーが採用して広まった。この方式をさらに進めたものに、ベンの図式がある。
[西村敏男]