オマル師(読み)おまるし

知恵蔵mini 「オマル師」の解説

オマル師

アフガニスタンの反政府武装勢力・タリバンの初代最高指導者。フルネームはムハンマド・オマル。1960年頃、同国南部カンダハル州で生まれたとされる。79年にアフガニスタンに軍事侵攻した旧ソビエト軍との闘争に身を投じる。94年、内戦下でタリバンを結成。96年にアフガニスタンの首都カブールを陥落させ、タリバン政権を樹立した。2001年には、イスラムの教えに反する偶像崇拝であるとして、同国中部の仏教遺跡・バーミヤンの石仏を爆破。同年に発生した米同時多発テロ事件の首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者の身柄の引き渡しを拒否したことで、米国などから空爆を受け、タリバン政権の崩壊を招いた。その後は消息不明となっていたが、15年、アフガニスタン大統領府により13年に死亡していたことが発表され、タリバンからもこれを事実を認める声明が出された。

(2015-8-1)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報