コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

消息 しょうそく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

消息
しょうそく

かなを主とする手紙。尺牘 (せきとく) 書状などの漢文体,またはそれに近い書簡に対する語。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

しょう‐そく〔セウ‐〕【消息】

[名](スル)《「消」は陰気のなくなること。「息」は陽気の生じること》
人や物事の、その時々のありさま。動静。状況。事情。「その後の消息を尋ねる」「政界の消息に通じている」
状況や用件などを手紙などで知らせること。また、その手紙や連絡。音信。音沙汰。たより。「消息を交わす」「漁船が消息を絶つ」
「彼女は、短くとも殆(ほと)んど毎日―してよこした」〈有島・宣言〉
消えることと生じること。衰えることと盛んになること。盛衰。
「―、窮通、皆運有り」〈菅家文草・四〉
他家を訪れて、来意を告げ、案内をこうこと。しょうそこ。
「月あかき夜、人の来て、―言はせたるに」〈和泉式部続集詞書

しょう‐そこ〔セウ‐〕【消息】

しょうそく(消息)2」に同じ。
「忘れで―し給へ」〈大和・六四〉
しょうそく(消息)4」に同じ。
「開けむとならば、ただ入りねかし。―を言はむに、よかなりとは誰か言はむと」〈・八〉
しょうそく(消息)1」に同じ。
「かの一宿(ひとよ)の主人(あるじ)が荘(いへ)に立ち寄りて、僧が―を尋ね給ふ」〈読・雨月・青頭巾〉

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

消息【しょうそく】

〈しょうそこ〉とも。消は死,息は生を意味し,元来は動静の義。転じて,たより,音信,手紙をさす。平安時代の男子は変体漢文で手紙を書いたが,これは後世候(そうろう)文へ発展した。
→関連項目折紙(書誌)薩戒記藤原佐理吉崎

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

大辞林 第三版の解説

しょうそく【消息】

動静。様子。状態。 「その間かんの-は不明だ」
状況を知らせる手紙や言葉。便り。音信。しょうそこ。 「 -が途絶える」 「 -を絶つ」
盛衰。消長。 「士たる者は富貴-の事ともに論ずべからず/読本・雨月 菊花の約
来意を告げること。案内をこうこと。 「人の来て-言ひ入れたる/和泉式部集」
[句項目]

しょうそこ【消息】

「しょうそく(消息)」の転。 「御-もなきにこそはあめれ/和泉式部日記」

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

消息
しょうそく

他人の安否を問い、自分の用件を伝えて心の不安を消し息(や)む(『貞丈雑記(ていじょうざっき)』)の意で、広くは現在の私信・手紙のことをいう。奈良時代の私信は啓(けい)・状(じょう)といわれ、唐の公文書・私信などの書式を規定した『書儀』にみえる私信としての啓・状を引き継ぐもので、純粋の漢文で書かれ、書式も多様であった。しかしこれも漸次国風化され、平安時代の中ごろには『雲州(うんしゅう)消息(明衡(めいごう)往来)』にみられるような消息が成立、やがて書札様(しょさつよう)文書へと発展していく。ここに男性の漢字を使った漢文体(和様漢文体を含む)の消息が成立する。これが一般に書状といわれるものである。また平安時代の中ごろには仮名が発明され女性に用いられるようになり、女性の仮名書きの話しことば(和文体)による消息の成立をみる。これは女消息・仮名消息とよばれ、男性の書状に対して狭義の消息である。鎌倉時代以降、書状と仮名消息は入り交じって用いられ、厳密な区別は行われにくくなるが、典型的な仮名消息としては女房奉書をあげることができる。また戦国末になると女性だけに限らず、天皇の宸筆(しんぴつ)、足利(あしかが)将軍の自筆の仮名消息のように男性のものもみられる。[上島 有]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の消息の言及

【手紙】より

…用件を紙に書いて相手に伝える文書。
【日本】
 書状,書札,消息(しようそく∥しようそこ),尺素(せきそ),尺牘(せきとく)などともいう。ほかに手元において雑用に使う紙の意義もあるが,現在では用いられない。…

【手紙】より

…用件を紙に書いて相手に伝える文書。
【日本】
 書状,書札,消息(しようそく∥しようそこ),尺素(せきそ),尺牘(せきとく)などともいう。ほかに手元において雑用に使う紙の意義もあるが,現在では用いられない。…

※「消息」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

消息の関連キーワード奈良県奈良市十輪院畑町大谷広右衛門(6代)長野県佐久市野沢のんべんぐらり和泉式部日記久留嶋左兵衛蓮如仮名法語一遍上人語録紫式部日記聞き交はす聞こえ通ふお波奈の方人伝に聞く和泉式部集消息を絶つマロリー直屋隠り言ひ煩ふ不知案内消息往来

今日のキーワード

存亡の機

引き続き存在するかここで滅びてしまうかという非常に重大な時。存亡の秋(とき)。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

消息の関連情報