オンファス輝石(読み)オンファスきせき(その他表記)omphacite

改訂新版 世界大百科事典 「オンファス輝石」の意味・わかりやすい解説

オンファス輝石 (オンファスきせき)
omphacite

アルカリ輝石に属する鉱物化学組成は(Ca,Na)(Mg,Fe2⁺,Fe3⁺,Al)Si2O6で,主としてヒスイ輝石NaAlSi2O6透輝石CaMgSi2O6,ヘデン輝石CaFe2⁺Si2O6の中間組成のもの。淡緑色~暗緑色で,ときに褐色の短柱状,粒状または葉片状の結晶単斜晶系。モース硬度5~6,比重3.3~3.4。へき開がよく発達。ザクロ石とともにエクロジャイトの主要な構成鉱物で,そのほか高圧下で変成されたランセン石片岩相の変成岩に含まれる。名は特徴的な色にちなんで,ギリシア語の〈未熟なブドウ〉を意味するomphaxに由来する。
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世界大百科事典(旧版)内のオンファス輝石の言及

【輝石】より

…したがってヒスイ輝石と石英をいっしょに含む変成岩は地下深部(25km以深)で生成したことになる。オンファス輝石omphaciteはヒスイ輝石と透輝石,ヘデン輝石との固溶体で組成の範囲は広い。高温・高圧下で生じた変成岩であるエクロジャイトの主要構成鉱物である。…

【輝石】より

…したがってヒスイ輝石と石英をいっしょに含む変成岩は地下深部(25km以深)で生成したことになる。オンファス輝石omphaciteはヒスイ輝石と透輝石,ヘデン輝石との固溶体で組成の範囲は広い。高温・高圧下で生じた変成岩であるエクロジャイトの主要構成鉱物である。…

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