オープンカット工法(読み)オープンカットこうほう(英語表記)open cut method

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オープンカット工法」の意味・わかりやすい解説

オープンカット工法
オープンカットこうほう
open cut method

土壌の安定勾配 (土の息角) を利用して,山止め壁を設けずに地表面から掘削していく工法。掘削周辺に斜面 (法面〈のりめん〉) を設けて土圧を安定させ,地盤崩壊を防ぐ。掘削部分の周囲に敷地の余裕がある場合でなければ採用できないが,一般には浅い掘削,地下水の少い地質にウェルポイント工法と併用して適用されることが多い。また,法面を降雨などから保護するため,モルタル吹付けやシートなどによる養生 (ようじょう) が行われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のオープンカット工法の言及

【地下鉄道】より

…【小池 滋】
【地下鉄の技術】

[トンネルの工事方法と形状]
 地下鉄トンネルの工法は,地表面から掘り下げてトンネルをつくる垂直掘削方式と,横孔式にトンネルを掘進する水平掘進方式とに大別される。前者は開削工法(カットアンドカバー工法またはオープンカット工法ともいう)が最も一般的で,ほかにケーソン工法などもこれに属する。水平掘進方式はシールド工法と山岳トンネル工法とがその代表的なものである。…

【トンネル】より

…近年はシールド前面を開放しない,ブラインド型と呼ばれるもの,切羽とシールド機との間に掘削土砂を蓄え,切羽の自立を助けながら掘進する土圧バランス型,あるいは切羽との間にベントナイト泥水を満たし,これで土圧や水圧と均衡させながら掘進する泥水型など,新しい様式と機械式掘削方式を組み合わせた機種の開発が進み,いろいろな施工条件への適合が計られている。シールド工法
[開削工法]
 開削工法はオープンカット工法,あるいはカットアンドカバー工法とも呼ばれ,地上から溝状に掘削を行い,その底にトンネル構造物を建造した後,埋戻しを行ってトンネルを建設する方法である。設置深さの浅いトンネルの場合,とくに都市内街路下に設ける地下鉄道の建設とか,山岳トンネルの坑口部などで土被り(どかぶり)(トンネル上の土の厚さ)の薄い部分に用いられる。…

※「オープンカット工法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」