翻訳|slope
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傾いた面。力学で斜面の重要性は非常に大きい。近代科学の祖ガリレイは,重力による落下の等加速度運動は速すぎて測定がむずかしいので,斜面を用いてゆっくりした等加速度運動になおして研究を行い,力学の基礎を築いた。水平とつくる角がθの斜面上に置かれた質量mの物体に働く重力mg(gは重力加速度)を,斜面に平行な成分mgsinθと垂直な成分mgcosθとに分けると,後者は斜面の抗力によって打ち消され,摩擦力がなければ,物体は前者によって加速度gsinθで斜面を滑り落ちる(図)。θを小さくすれば加速度も小さくなるから,時間と滑り落ちる距離などの測定もやりやすい。半径がrで慣性モーメントがmκ2の球(κ2=2r2/5)や円柱(κ2=r2/2)が斜面の最大傾斜線に沿ってころがり落ちる場合には,重心の加速度はgsinθ/(1+κ2/r2)となってさらに小さくなる。また,物体をもち上げるときに,斜面に沿って引っぱり上げれば,力は小さくてすむので,昔から重い物をもち上げるのに利用されている。ただし,こうしても仕事は斜面を利用しないときと同じである。
執筆者:小出 昭一郎
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