家庭医学館 「カンピロバクター食中毒」の解説
かんぴろばくたーしょくちゅうどく【カンピロバクター食中毒】
カンピロバクターは、イヌ、ブタ、ウシ、ニワトリなどに下痢(げり)をおこさせる細菌で、これらの家畜から感染して人にも下痢性の病気をおこします。
●多発する季節と年齢
多発するのは5~6月ですが、年間を通じてみられます。集団発生のほかに家族内発生、散発的な発生もあります。子どもに多いのですが、おとなにもみられます。
[症状]
潜伏期は3日前後で、急な発熱、腹痛、下痢がおこります。下痢の始まる数時間~2、3日前から、38~39℃の発熱をみますが、熱に気づかないこともあります。
腹痛はかなり強く、へそのまわりが痛むことが多く、1日数回から10数回の水様または粘液(ねんえき)と血液のまじった下痢となります。
[治療]
マクロライド系の抗生物質や化学療法薬のノルフサシリンが効きます。脱水症状や腹痛には、一般の下痢と同じ手当をします。
[予防]
カンピロバクター菌は、病人の排泄物(はいせつぶつ)に含まれるほか、この菌を保有している家畜の糞便(ふんべん)中にも排泄される率が高いので、下痢をしている人やイヌ・ネコ、小鳥などのペットから感染しないように注意すべきです。