カーディル(読み)かーでぃる(英語表記)Rebiya Kadeer

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カーディル
かーでぃる
Rebiya Kadeer
(1947― )

ウイグルの母」とよばれるウイグル人活動家、指導者。中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区北部のアルタイ出身。1980年代末から1990年代にかけて小売業を始め、不動産投資や貿易で財をなし、新疆を代表する実業家となった。当初は共産党政権と良好な関係を保ち、1993年に中国政府の諮問機関である人民政治協商会議のメンバーに選ばれるなど、当局から少数民族政策の成功を宣伝する広告塔として利用された時期もあった。
 新疆におけるウイグル人の人権抑圧に対する関心が高く、1996年と1997年の人民政治協商会議でその改善を積極的に訴えたことをきっかけに、政府から「危険分子」として監視されるようになった。1999年、ウルムチを訪問中のアメリカ議会代表団にウイグル人政治囚のリストを渡そうとして拘束され、国家機密漏洩(ろうえい)罪で懲役8年の刑を言い渡された。2005年に「病気療養」の名目で出獄しアメリカに亡命した。その後もウイグル人の人権擁護を訴える活動を展開している。2006年に世界ウイグル会議議長に就任した。[矢板明夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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