化学辞典 第2版 「ガラクトマンナン」の解説
ガラクトマンナン
ガラクトマンナン
galactomannan
D-galacto-D-mannoglycan.D-ガラクトースとD-マンノースから構成される多糖の総称.マメ科植物の種子をはじめ,クローバーやアルファアルファの実などに広く存在する.グアール(guar)やイナゴマメ(carob bean)の実のガラクトマンナンは,植物ガム製品として市販されている.いずれもβ-D-マンノピラノースが(1→4)結合した主鎖に,分枝としてD-ガラクトースがマンノース基に(α1→6)結合している.分子量は20~30万(浸透圧法)で,D-マンノースとD-ガラクトースの比は64:36である.+53°(水酸化ナトリウム).水溶液の粘度は同じ濃度のデンプンの5倍以上である.コーヒー豆やイナゴ豆のガラクトマンナンは,ガラクトースとマンノースの構成比が異なる.これらは,繊維工業や製紙におけるサイジングやプリント用に,食品工業における安定剤や濃厚剤として,また軟膏,化粧品,フィルムなどに使用される.微生物のかび菌糸体や真菌の抗原多糖であるガラクトマンナンは,(α1→6)または(α1→2)結合したマンナンの主鎖に,(β1→6)結合のD-ガラクトフラノース残基の側鎖がついたもので,ガラクトース残基が抗原決定基となっている.[CAS 11078-30-1]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報