キターブ(読み)きたーぶ(その他表記)kitāb

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キターブ」の意味・わかりやすい解説

キターブ
きたーぶ
kitāb

一般に「本」「書物」を意味する。コーランでは一、二の特殊な意味で用いられるが、用例の大半は「唯一神アッラーの啓示に基づく経典」、すなわち啓典(けいてん)を意味する。イスラム教では、ユダヤ教の『旧約聖書』、キリスト教福音(ふくいん)書などを、同じ神アッラーがおのおのの民族の言語で啓示した啓典とみなし、コーランはそれらを確証する啓典として優越視される。したがって、ユダヤ教徒、キリスト教徒は、ムスリムイスラム教徒)ではないが、一神教徒として、多神教徒と区別して、「啓典の民」(アフル・アルキターブAhl al-kitāb)とよばれて、異なった対応を受ける。

[小田淑子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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