キリスト教建築(読み)キリストきょうけんちく(その他表記)Christian architecture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリスト教建築」の意味・わかりやすい解説

キリスト教建築
キリストきょうけんちく
Christian architecture

キリスト教における典礼式の執行,信徒志願者の教育,授洗,儀式用祭具や施物の保管,聖職者定住などの諸機能を果す専用の建築物で,聖堂のほかに,殉教者をまつる記念堂,墓廟洗礼堂修道院などがある。 313年ローマ帝国によるキリスト教公認以来,重要な公共建築の一つとして各地に多数建設された。その建築様式も時代の推移とともに変遷したが,キリスト教建築としての代表的な聖堂についていえば,4世紀頃発展したバシリカ式聖堂,ビザンチン帝国時代の集中式平面の聖堂,9~15世紀にいたるロマネスク,ゴシック様式によるバシリカ式聖堂の発展などがみられる。 19世紀以降各種材料と最新の技術を用い,現代にふさわしい宗教建築の表現を求めて,さまざまな形式による聖堂が造られている。

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世界大百科事典(旧版)内のキリスト教建築の言及

【イタリア美術】より

…長方形のプランをもち,入口の反対側に聖域としてのアルコ・トリオンファーレとアプスをもつ3廊形式のバシリカは,俗界から入って神へと進むキリスト教的信仰の空間に合致している。また調和的世界の象徴である円堂(集中式プラン)は,権威的空間ではなく平和と和合の空間として,バシリカとともにキリスト教建築の伝統の二大形式となった。前者はローマのサン・パオロ・フオリ・レ・ムーラ教会,後者にはラベンナのサン・ビターレ教会がある。…

【教会堂建築】より

…キリスト教建築は,教会堂(聖堂),洗礼堂,記念堂(マルティリウム),墓廟,修道院,学校などからなるが,教会堂建築はその中核をなすものである。本項ではローマ・カトリック教会とギリシア正教会の教会堂を中心に,その変遷を概観する。…

※「キリスト教建築」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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