ギボンズ(Orlando Gibbons)(読み)ぎぼんず(英語表記)Orlando Gibbons

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ギボンズ(Orlando Gibbons)
ぎぼんず
Orlando Gibbons
(1583―1625)

イギリスの作曲家。イギリス・ポリフォニー様式の最後の作曲家で、当時のもっとも優れた鍵盤(けんばん)楽器奏者でもあった。鍵盤楽器のための曲と教会音楽、とくにイギリス国教会の礼拝用合唱曲であるアンセムの作曲家として重要。ほかにマドリガル、室内楽曲も遺(のこ)す。オックスフォードに生まれたのち、一家で移住したケンブリッジのキングズ・カレッジの聖歌隊員(1596~98)、王室礼拝堂のオルガン奏者(1604)、国王付きバージナル奏者(1619)を経てウェストミンスター寺院のオルガン奏者(1623)。1625年同寺院でのジェームズ1世の葬儀の音楽を指揮したのち、王室礼拝堂のメンバーとともにカンタベリーにおいて新国王チャールズ1世の到着を待つ間に同地で死去。父ウィリアム(1595没)および2人の兄エドワード(1650ころ没)、エリス(1603?没)、息子クリストファー(1615―76)も音楽家。

[南谷美保]

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