ケンブリッジ(英語表記)Cambridge

翻訳|Cambridge

精選版 日本国語大辞典 「ケンブリッジ」の意味・読み・例文・類語

ケンブリッジ

(Cambridge)
[一] イギリス、イングランド中東部、ケンブリッジシャーの都市。一三世紀初頭創立のケンブリッジ大学がある。
[二] アメリカ合衆国、マサチューセッツ州北東部の都市。ハーバード大学マサチューセッツ工科大学ラドクリフ大学などがある。
[三] アメリカ合衆国、オハイオ州東部の都市。石炭・石油・天然ガスの産地。

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改訂新版 世界大百科事典 「ケンブリッジ」の意味・わかりやすい解説

ケンブリッジ
Cambridge

イギリス,イングランド中東部,ケンブリッジシャーにある大学都市で州都。人口13万1465(2001)。市名は〈カム川の橋〉を意味する。フェンランドの南,グレート・ウーズ川の支流カム川の中流に位置し,オックスフォードと並ぶイギリスの学術の中心であり,出版印刷のほか電気機械,科学機械,セメントなどの工業も立地する。カム川の渡河点でかつ遡行限界点にあたるため,ローマ時代から城砦が建設され,アングロ・サクソン時代には行政・交易中心地となった。その後13世紀初期にケンブリッジ大学が創立されてからは,カレッジやホールの学寮施設が集中し,16世紀にはその名声が全ヨーロッパに伝わった。町はローマ時代の道路ブリッジ・ストリートを中心に展開するが,屈曲した狭い小路も多く,中世的雰囲気を残している。市内には学寮のほか,後期ゴシック様式のキングズ・カレッジ・チャペル,大学の教会であるグレート・セント・メアリー教会,ノルマン風円形教会として知られるホーリー・セプルカ教会などの歴史的建築物や,フィッツウィリアム博物館がある。またカレッジの周囲にあるバックスと呼ばれる芝生など,オープン・スペースが広い。1200年ころから開催されていたスタウアブリッジ大市はイングランド最大級のものであったが,現在は衰退している。
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ケンブリッジ
Cambridge

アメリカ合衆国マサチューセッツ州北東部の大学都市。人口10万0135(2005)。チャールズ川を挟んでボストンの対岸にある。合衆国最初の高等教育機関として創立されたハーバード大学(1636創立)やマサチューセッツ工科大学(1861年ボストンに設立され,1916年この地に移転),ラドクリフ大学,レスリー大学があり,教育・研究の中心地。また,電気機械,科学用測定機器,ゴム製品,ガラス,電子機器,印刷・出版などの工業もある。1630年に集落が建設され,ニュータウンと呼ばれていたが,38年,イギリスの大学町ケンブリッジにちなんで改称された。1846年市制施行。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケンブリッジ」の意味・わかりやすい解説

ケンブリッジ
Cambridge

イギリスイングランド中東部,ケンブリッジシャー県の県都。ケンブリッジ地区を構成する。ケンブリッジ大学の所在地として知られる都市で,ロンドンの北約 80km,フェン地方と呼ばれる低地の南縁部にあり,ウーズ川支流カム川に臨む。「イギリス唯一の真の大学都市」といわれ,中世からの歴史的な建物と豊富な緑が優れた環境をつくっている。31のカレッジがあり,歴史の古い建物が多いが,最も有名な建物はキングズ・カレッジ礼拝堂(1446~1515)で,イギリス中世建築の代表作の一つ。産業は電子工業,印刷など,大学と密接な関係をもつものが多く,国際的名声を得ている書店もいくつかある。製粉,アスファルト,セメント製造も重要。フィッツウィリアム美術館は有名。観光業も盛んで,特に夏季には英語を学ぶために海外から訪れる学生が多い。面積 41km2。人口 11万8500(2001)。

ケンブリッジ
Cambridge

アメリカ合衆国,マサチューセッツ州東部の大学都市。チャールズ川をはさんでボストンの対岸にある。ハーバード大学,ラドクリフ女子大学,マサチューセッツ工科大学,スミソニアン天体物理学研究所,J.F.ケネディ記念図書館などがあり,同国の科学,産業の研究の中心地。 1630年マサチューセッツ湾会社によりニュータウンという植民地がつくられたが,36年にハーバード大学ができ,38年にイギリスの大学町の名前がつけられた。合衆国での印刷,製本の発祥地であり,合衆国建国の歴史に重要な役割を演じ,ロングフェローら数多くの文人,思想家ゆかりの地。 1912年にボストンとの間に地下鉄が開通してから工業化が進み,食料品,化学製品,電気器具,印刷,ゴム,皮製品,金属製品などの工場が立地するようになった。 50年頃から工場と住宅が郊外へ移動する傾向が強くなり,50年に 12万人をこえていた人口も現在 10万人を割り,人口減少を食止めるべく都市再開発が行われている。人口9万 5802 (1990) 。

ケンブリッジ
Cambridge

カナダ,オンタリオ州南部の都市。ハミルトンの北西約 35kmにある。オンタリオ半島の中央部にあり,1月の平均気温-5.5℃,7月の平均気温 20℃で,カナダとしては気候温和。 1816年頃に居住地が開かれ,シェーズミルズと呼ばれ,製粉と製材が行われた。 27年作家で,カナダの植民者であるスコットランド人 J.ゴルトにちなみゴルトと改称された。鉄鋼,機械,靴,プラスチック,繊維などが主要工業。 1973年西隣のプレストン町と合併してケンブリッジ市となった。人口 12万6748(2011)。

ケンブリッジ
Cambridge

アメリカ合衆国,メリーランド州の都市。チェサピーク湾東岸に位置する。 1684年港が築かれ,イギリスの同名の都市名で呼ばれた。初めの2世紀間は小さな港にすぎなかったが,その後設備が拡充され,1964年の掘削を契機に国際貿易も行われるようになった。おもに食品,木材などを扱う。 16km南にブラックウォーター国立野生生物保護区がある。人口1万 1514 (1990) 。

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百科事典マイペディア 「ケンブリッジ」の意味・わかりやすい解説

ケンブリッジ

英国,イングランド南東部,ケンブリッジシャー州の州都。ロンドン北方80kmにある。ウーズ川の支流カム川に臨み,古くから市場町,ケンブリッジ大学所在地として発展。11万8000人(2001)。
→関連項目アッテンボロー

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世界大百科事典(旧版)内のケンブリッジの言及

【地名】より

…また人物,宗教に関連した記念地名も多く,かつてのコンスタンティノポリス(コンスタンティヌス帝の都,現,イスタンブール)やサンフランシスコ(聖フランチェスコ)がその好例である。このほか個人,集団の所有観念と結びついた所有地名,〈あらしの岬〉を喜望峰と改名したような婉曲地名,河川の本来の名称はグランタGranta川であるのに,市名のケンブリッジCambridgeから逆成されたカムCam川を例とする民間語源地名などの類型をあげることができる。
[地名と歴史]
 民族移動が活発であったヨーロッパでは,文献史料を欠く場合,地名研究によって各民族の定住地域や定住時期,社会組織などを解明することが可能である。…

※「ケンブリッジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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