ロンドン中心部にある英国国教会の教会。10世紀半ばにベネディクト会の修道院として始まり、その後の増改築で大規模なゴシック式教会となった。1066年以降、歴代国王の戴冠式が行われ、昨年9月のエリザベス女王の国葬も営まれた王室ゆかりの寺院。1947年には戴冠前のエリザベス女王とフィリップ殿下の結婚式、97年にはダイアナ元妃の葬儀も行われた。歴代の国王や女王のほか、科学者ニュートンやダーウィンら歴史上の偉人も埋葬され、世界遺産に登録されている。(ロンドン共同)
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ロンドンにあるイギリスの戴冠(たいかん)式聖堂。正式名称はCollegiate Church of St. Peter in Westminsterである。創建は7世紀にさかのぼるが、11世紀になってエドワード懺悔(ざんげ)王によって一度再建され、現在の建物はヘンリー3世の発案により、ヘンリー・オブ・レーンズの設計をもとにして1245年に起工、69年に完成、献堂されたもの。しかしその後も増築が繰り返され、西側正面はヘンリー・イエベルの設計により14、15世紀に建立され、ついで1503~12年には後陣にヘンリー7世礼拝堂が増築、最終的に鐘塔が完成したのは1734年のことである。1987年にウェストミンスター宮殿、聖マーガレット教会とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
寺院内部は壁面も床も歴史上の人物の墓碑、記念碑で埋まっている。正面入口を入って最初にあるのがチャーチル記念碑、その左手に労働党指導者アトリー、マクドナルド、ベバンらの記念碑、そのすぐ奥にアフリカ探検家として業績のあったリビングストンの墓がある。中央オルガンの左手は科学者ニュートンの墓碑。翼廊左手にはウィリアム・ピット、グラッドストーンなど往時の宰相が祀(まつ)られ、反対側の一部は通称「詩人のコーナー」とよばれ、チョーサー、ブレイク、ロングフェロー、ブラウニング、バイロンなど、続いてスコット、ヘンデル、キーツ、シェリーといった著名な作家、詩人、音楽家の墓碑群が並んでいる。
[濱谷勝也]
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