クソアノン(その他表記)xoanon

翻訳|xoanon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クソアノン」の意味・わかりやすい解説

クソアノン
xoanon

ギリシア最古の彫像。木を削った像,すなわち木彫を意味する。原始時代神像としてまつられていたが,歴史時代に入ってもこれを安置した神殿があったことが記録にある。その形態丸太のような丸みを帯びたもの,もしくは厚板のように扁平なものから作り出されたきわめて単純なものと推察される。作例としては『ニカンドラ奉納のアルテミス』 (アテネ国立考古学博物館) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクソアノンの言及

【ギリシア美術】より

… 前10~前8世紀の幾何学様式時代には,青銅,テラコッタ,象牙の小型像が残るにすぎない。古文献によって,クソアノンxoanonと呼ばれる単純・素朴な木彫神像のあったことが知られるが,現存するものはない。本格的な大型の石造彫刻は,アルカイク時代の前7世紀中ごろエジプトの刺激によって成立した。…

【木彫】より

…フェニキアには,黒檀(こくたん)や黄楊(つげ)などの硬木に彫った小工芸品が見られ,これらは装飾工芸として古代世界に広く分布していたと思われる。ギリシアの神像は,クソアノンxoanonと名づけられる単純・素朴な木板状神像から生まれたと伝えられるが,それらの直接的関連は今日否定されている。しかし,木彫の偶像が制作されていたことは事実らしく,サモス島の水浸しになった神殿から若干の木彫が見いだされる。…

※「クソアノン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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