クレートン‐ブルワー条約(読み)くれーとんぶるわーじょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クレートン‐ブルワー条約
くれーとんぶるわーじょうやく

将来建設される中米地峡運河に関してイギリスとアメリカが1850年に結んだ条約。40年代末イギリスは、メキシコ戦争で勝ったアメリカが地峡運河を求めると予想し、他方アメリカは、運河入口が位置する中米東海岸にイギリスが領土を獲得することを恐れたため、両国間の緊張が強まった。かくてイギリス代表ブルワーWilliam Henry Lytton Earle Bulwer(1801―72)とアメリカ国務長官クレートンJohn Middleton Clayton(1796―1856)の間で条約が結ばれ、両国は、将来建設される地峡運河を共同で管理すべきこと、運河を専有せず、また要塞(ようさい)を設けないこと、中米のいかなる地域をも占領ないし植民地化しないことを約し、紛争を解決した。この条約は1901年のヘイ‐ポンスフォート条約で改定された。

[高橋 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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