ヘイ‐ポンスフォート条約(読み)へいぽんすふぉーとじょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヘイ‐ポンスフォート条約
へいぽんすふぉーとじょうやく

アメリカ国務長官ヘイとイギリス駐米大使ポンスフォートとが締結した地峡運河に関する条約。1900年2月に調印された条約(第一次)は、アメリカが単独で運河を建設、管理することを認めるように1850年のクレートン‐ブルワー条約を修正するにとどまったが、アメリカ上院がこれを承認せず修正案を議決したので交渉が再開され、結局1901年11月ふたたび条約(第二次)が締結された。これによって上院が要求したクレートン‐ブルワー条約の廃棄が規定され、アメリカは運河を単独で建設、管理するのみならず、要塞(ようさい)化する権利を事実上認められたが、すべての諸国民に運河を完全平等な条件で開放する義務を負った。また、パナマ運河建設の道が開かれた。

[高橋 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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