クロムカルボニル

化学辞典 第2版 「クロムカルボニル」の解説

クロムカルボニル
クロムカルボニル
chromium carbonyl

普通,ヘキサカルボニルクロム[Cr(CO)6]をいう.アセチルアセトナトクロム(Ⅱ)または(Ⅲ)錯体ピリジン中,粉末Znの存在下でカルボニル化してつくる.白色結晶.ほかの金属カルボニルと比べて非常に安定で,空気中130 ℃ で分解する.真空中で昇華する.ベンゼン四塩化炭素などから再結晶できる.COはCrのまわりに正八面体に配位し,Cr-C-Oは直線,Cr-C0.192 nm,C-O0.116 nm.N,P,Asなどのドナー原子,および不飽和炭化水素でCOを一部置換することができる.液体アンモニア中,金属ナトリウムを作用させると [Cr(CO)5]2- が,NaBH4を作用させるとCr-H-Cr結合をもつ [Cr2H(CO)10] 錯体が得られる.[CAS 13007-92-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報