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不飽和炭化水素 フホウワタンカスイソ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不飽和炭化水素
ふほうわたんかすいそ
unsaturated hydrocarbon

炭素‐炭素二重結合(C=C)または三重結合(C≡C)をもつ炭化水素をいう。ただし、ベンゼンナフタレントルエンなどのように芳香環以外に二重結合や三重結合をもたない芳香族炭化水素芳香族性をもち不飽和の性質を示さないので、通常は不飽和炭化水素とはいわない。スチレンC6H5-CH=CH2のように芳香環以外に二重結合や三重結合をもつ化合物は不飽和炭化水素である。
 不飽和炭化水素には二重結合や三重結合を複数含んでいるものもあり、二重結合を二つもつものをジエン、三つ以上のものをトリエン、テトラエン、などのようによび、数多くの二重結合をもつものはポリエンとよばれる。三重結合を二つもつ化合物はジイン、多数の三重結合を含むものはポリインとよばれる。
 同じ分子中に二重結合が二つある場合に、1,3-ブタジエンのように二つの二重結合が1本の単結合で直接結合している場合は二つの二重結合が同一平面上に並んでいる。このような位置関係にある二つの二重結合を共役二重結合という(の(1))。アレンのように二つの二重結合が一つの炭素原子を共有している場合は累積二重結合という。累積二重結合では二つの二重結合のなす平面が互いに垂直であるので共役二重結合ではない(の(2))。[佐藤武雄・廣田 穰]

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