四塩化炭素(読み)シエンカタンソ(その他表記)carbon tetrachloride

デジタル大辞泉 「四塩化炭素」の意味・読み・例文・類語

しえんか‐たんそ〔シエンクワ‐〕【四塩化炭素】

炭化水素塩素を反応させて作る、特異臭のある無色液体。水にはほとんど溶けず有機溶媒に溶けるので、フレオン原料油脂樹脂溶剤利用化学式CCl4 テトラクロロメタン

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精選版 日本国語大辞典 「四塩化炭素」の意味・読み・例文・類語

しえんか‐たんそシエンクヮ‥【四塩化炭素】

  1. 〘 名詞 〙 炭素の塩化物の一つ。化学式 CCl4 無色の液体。有機化合物、油、グリースタールなどをよく溶かす。劇薬。ドライクリーニング、油脂類、不燃性の溶剤、フレオンの原料、殺虫剤、分析用試薬などに用いる。四塩化

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改訂新版 世界大百科事典 「四塩化炭素」の意味・わかりやすい解説

四塩化炭素 (しえんかたんそ)
carbon tetrachloride

メタンCH4水素原子を全部塩素原子で置換した化合物。テトラクロロメタンともいう。化学式CCl4。融点-23℃,沸点76.74℃。比重1.63195(20℃)で水より重い。無色透明,揮発性,不燃性の液体で,特有の臭いを有する。水にはほとんど混ざらないが,アルコール,エーテルなどの一般有機溶剤とはよく混和する。化学的に安定で,一般に酸,塩基の作用を受けないが,塩化アルミニウムなどのルイス酸とは錯体を形成する。古くは二硫化炭素に触媒の存在下で塩素を作用させて得ていたが,現在ではほとんどメタンを塩素で逐次熱塩素化してつくるか,C2,C3炭化水素の熱塩素化によりテトラクロロエチレンとともに製造する。用途の大部分フロン製造の原料である。すなわち,フッ化水素を作用させることにより,フレオン-11,-12,-12B1とし,冷媒などに用いられる。そのほか,消火剤,油脂や樹脂などの溶剤,ドライクリーニング溶剤,殺虫・駆虫剤としての用途がある。空気中の許容濃度は10ppmで,かなりの毒性があるため取扱いには注意を要する。
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化学辞典 第2版 「四塩化炭素」の解説

四塩化炭素
シエンカタンソ
carbon tetrachloride

CCl4(153.82).テトラクロロメタンともいう.二硫化炭素に適当な触媒の存在下で30 ℃ で塩素を作用させ,生成物を蒸留精製すると得られる.メタンを塩素化しても得られる.分子は四面体構造.特有の臭いをもつ無色の重い液体.融点-23 ℃,沸点76.7 ℃.密度1.63 g cm-31.4607.水に対する溶解度は0.08質量%(20 ℃).エタノール,エーテル,ベンゼン,クロロホルム,石油エーテルとまざる.酸,塩基に対して安定である.五フッ化アンチモンなどを触媒としてフッ化水素を作用させるとフロンを生じる.ヨウ素,脂肪,タールなどの各種有機物を溶解する.引火性はない.溶剤,ドライクリーニング,殺虫剤,赤外吸収スペクトル測定用溶媒,キレート抽出用溶媒などに用いられる.[CAS 56-23-5]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四塩化炭素」の意味・わかりやすい解説

四塩化炭素
しえんかたんそ
carbon tetrachloride

無色,クロロホルム臭を有する不燃性の重い液体。化学式 CCl4。別名テトラクロロメタン。沸点 76.7℃,融点-23℃。1839年クロロホルム塩素を反応させて得られた。今日では五塩化アンチモンを触媒として二硫化炭素と塩素から製造する。化学的に安定で,酸,塩基,濃硫酸などに作用しない。水にはほとんど溶けないが,エチルアルコール,エーテル,ベンゼンと混ざる。樹脂,タールなど有機物をよく溶解する。引火しない点が他の溶媒と異なる。有機化学反応の溶媒のほか,消火剤,ドライクリーニング用溶剤として使用されたが,オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書で製造,使用が禁止された。

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百科事典マイペディア 「四塩化炭素」の意味・わかりやすい解説

四塩化炭素【しえんかたんそ】

化学式はCCl4。特有臭のある無色の液体。融点−23.8℃,沸点76.74℃。水にほとんど不溶,有機溶媒に可溶。二硫化炭素に塩素を作用させてつくる。溶媒,消火剤,またフロンの製造原料にも用いられてきた。劇薬で,ときに中毒を起こす。
→関連項目大気浄化法

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栄養・生化学辞典 「四塩化炭素」の解説

四塩化炭素

 CCl4 (mw153.82).テトラクロロメタン.肝臓毒性があり,無色で特有の臭気がある.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「四塩化炭素」の意味・わかりやすい解説

四塩化炭素
しえんかたんそ

テトラクロロメタン

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