クロル法(読み)クロルほう(英語表記)Kroll process

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロル法」の意味・わかりやすい解説

クロル法
クロルほう
Kroll process

チタン Ti,ウランU,ジルコニウム Zrの製造に用いられる製錬法。これらの鉱石イルメナイト FeTiO2 ,ルチル TiO2 ,閃ウラン鉱 UO2 ,ジルコン ZrSiO4 などの酸化鉱で,これを塩素ガス中で焙焼して液体の TiCl4 または ZrCl4 とする。これらの四塩化物を蒸留精製し,鉄製円筒中に装入してマグネシウム Mgで還元する。 Tiの場合の還元反応は TiCl4+2Mg=Ti+2MgCl2 で,チタンはスポンジ状固体として得られ,MgCl2真空ポンプで引いて蒸散させる。 Zrの処理もまったく同じである。還元剤として Mgの代りナトリウムまたはカルシウム Caを用いる方法もある。ウランの製錬は乾式法も湿式法もあるが,最後はどちらも四フッ化ウラン UF4 となり,これを Mgまたは Caで還元する。 (→乾式製錬 )

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改訂新版 世界大百科事典 「クロル法」の意味・わかりやすい解説

クロル法 (クロルほう)

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世界大百科事典(旧版)内のクロル法の言及

【チタン】より

…1925年,オランダのファン・アルケルA.E.Van Arkelがヨウ化チタンの熱分解法で比較的純粋なチタンをつくり,きわめてすぐれた性質をもつことが明らかにされてから,多くの研究が重ねられたが,高温で酸素や窒素,空気中の水分と結合しやすいため単体金属を得ることは困難であった。40年ドイツのクロルW.J.Kroll(1889‐1973)が塩化チタン(IV) TiCl4のマグネシウム還元法,いわゆるクロル法を発明してから,炭素,窒素および酸素の含有量の少ない金属チタンが工業的に利用されるようになった。
[存在]
 古くは希元素に分類されていたが,地殻中の存在度が高く,しかもきわめて広く分布し,土壌中には酸化チタン(IV) TiO2として約0.6%含まれている元素である。…

※「クロル法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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