日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グラッシ(Giovanni Battista Grassi)
ぐらっし
Giovanni Battista Grassi
(1854―1925)
イタリアの昆虫学者、寄生虫学者。ロベラスカに生まれ、パビアで医学を学び、卒業後、ドイツで動物学、解剖学を研究した。その後カタニア大学動物学、比較解剖学教授を経て、1895年ローマ大学比較解剖学教授となった。解剖学者として硬骨魚類の脊椎(せきつい)の発達を研究する一方、昆虫学者としてシロアリの生態研究などを残した。彼の主要研究は寄生虫学にあり、とくにヒトのマラリア病原虫はハマダラカによって媒介されることを明らかにした(1898)。マラリア撲滅に献身した彼は、ローマ郊外の共同墓地への埋葬を望んだ。
[大林雅之]
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