ケベック分離独立運動(読み)ケベックぶんりどくりつうんどう

百科事典マイペディア 「ケベック分離独立運動」の意味・わかりやすい解説

ケベック分離独立運動【ケベックぶんりどくりつうんどう】

カナダの唯一のフランス語圏であるケベック州が他の英語圏から分離独立を目指そうとする運動。カナダでは長い間英語系住民とフランス語系住民の対立が続いてきたが,特にフランス語系住民が80%を占めるケベック州では,分離独立を求める動きが絶えず,1963年に登場したケベック解放戦線FLQ)は〈自由ケベック独立〉を掲げ,連邦施設の爆破,要人誘拐などの直接行動に走り,1970年非合法化された。その後,カナダ政府は憲法の修正などでケベックに大幅な自治権を与える方向で妥協を図ろうとしてきたが,1993年の連邦議会選挙では〈ケベック連合〉が大勝利し,次いで1994年に独立派のケベック党(PQ)がケベック州で政権を獲得した。パリゾー州首相のもとで,1995年10月30日に連邦からの分離独立を問う住民投票が実施され,50.6%対49.4%の僅差で分離独立は否決されたが,依然として分離独立を求める動きは衰えていない。1998年の州議会選挙でもPQは改選議席数を上回る勝利を収めた。
→関連項目トルドーモントリオール

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