ケベック党(読み)ケベックとう(英語表記)Parti Québécois

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケベック党」の意味・わかりやすい解説

ケベック党
ケベックとう
Parti Québécois

カナダ,ケベック州分離独立を主張するフランス系カナダ人の地方政党。ケベック州はフランス系住民が人口の5分の4を占めることから,フランス語の公用語としての地位を守り,そのためには同州の独立も辞さないという気風が伝統的に強い。 1960年代にはケベック解放戦線が独立を叫んで武力闘争を展開したが,70年非合法化された。こうした風潮を背景に,67年に州自由党を離党した R.レベックが独立運動組織 MSA (主権・連合運動) を設立,それを母体に翌 68年ケベック党を結成。武闘路線を排して合法的に分離をはかろうという主張で次第に勢力を伸ばした。 76年 11月の州議会選挙で圧勝し,110議席のうち 66議席を獲得,州政府首相にレベック党首が就任した。同州政府は 77年8月ケベック州から英語を追放する言語法案を通過させるなど,ケベック独立への道を進めた。しかし,80年に行われた分離独立の是非をめぐる住民投票に敗れたことから分離独立運動は沈静化に向っていった。さらに 85年には武装派が離党して「独立のための民主連合」を結成したほか,76年以来州首相をつとめたレベック党首が引退したこともあり,同年 12月の州議会選挙では州自由党に政権を奪われた。 94年9月の州議会選挙で J.パリゾー党首は分離独立を掲げて過半数を獲得し,州政権を自由党から奪ったが,翌年 10月に行われた2度目の住民投票でも独立案は否決された。 98年 11月の州議会選挙では得票率で伸び悩んだものの第1党の地位を確保した。

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