ケルスートセン(閃)石(読み)ケルスートせんせき(英語表記)kaersutite

改訂新版 世界大百科事典 「ケルスートセン(閃)石」の意味・わかりやすい解説

ケルスートセン(閃)石 (ケルスートせんせき)
kaersutite

ケルスート角セン石ともいう。カルシウム角セン石の一つで,化学組成はCa2Na,K)(Mg,Fe2⁺,Fe3⁺)4TiAl2Si6O22OH2で表される鉱物。玄武ホルンブレンドとよく似た化学組成をもつ。カルシウム角セン石の中で特徴的にTiを多く含んでいる。ふつうはTiO2が5~10重量%のものが多い。NaとK,MgとFe2⁺とFe3⁺はさまざまな比で混ざりあう。Mg/(Mg+Fe2⁺)が0~0.49のものを鉄ケルスートセン石ferrokaersutiteと呼ぶ。単斜晶系で,比重は3.2~3.3,モース硬度は5~6。濃褐色~黒色の柱状結晶として産する。アルカリ火山岩,たとえば粗面玄武岩,粗面安山岩などに数cmから十数cmに達する斑晶として出現することが多い。壱岐や北九州東松浦半島はこの有名な産地である。カンラン岩にも含まれることがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android