ゲオルギュ・デジ(読み)げおるぎゅでじ(英語表記)Gheorghe Gheorghiu-Dej

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲオルギュ・デジ」の意味・わかりやすい解説

ゲオルギュ・デジ
げおるぎゅでじ
Gheorghe Gheorghiu-Dej
(1901―1965)

ルーマニアの政治家。モルダビア(現モルドバ共和国)のバルラド出身。鉄道労働者になり、1930年に共産党に加入、1933年の鉄道ストを指導して逮捕され、12年の刑を宣告されたが、党内で不動の名声を得た。1944年8月に脱獄し、1945年から共産党書記長として一貫して最高の地位を占めた。その間、1944年から交通相、国民経済相を歴任し、1948年副首相、1952年には首相になった。1953年のスターリン死後、自己批判し、1954年にごく短期間首相の地位に専任したが、1955年には党第一書記の地位に復帰し、首相の椅子(いす)をストイカに譲った。1958年にソ連軍を自国領から撤退させることに成功、同年ふたたび急速な重工業化路線に着手し、ソ連のコメコン統合計画に反対し、自主路線を開始した。1961年から国家評議会議長(国家元首)を兼任した。死後、過去の粛清などの責任について批判を受けた。

木戸 蓊]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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