ローマにある凱旋門。フォルムの東、コロセウムの側に建つこの記念碑は、312年にマクセンティウスを破ってローマ帝国の西半分の統一を果たしたコンスタンティヌス大帝を記念し、元老院およびローマ市民が315年に建てたものである。高さ21メートル、幅26メートル、奥行7.4メートルの規模で、大小3個のアーチをもつ。壁面の浮彫り装飾は同時代のものに加えて、マルクス・アウレリウス帝時代の浮彫りの再使用も認められるが、いずれも「皇帝の力」を表し、古代ローマ帝国末期の大皇帝の偉業をたたえるにふさわしい風格を示している。なお、この凱旋門のあるローマ歴史地区は教皇領、サンパオロ・フォーリ・レ・ムーラ教会とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[名取四郎]
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