ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロセウム」の意味・わかりやすい解説
コロセウム
Colosseum
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ローマ市に残る古代ローマ時代の円形闘技場。フラウィウス朝を始めたウェスパシアヌス帝がネロ帝の黄金宮殿の人造池を干してその跡に建て始め、ティトゥス帝の時代の80年6月に完成した。そのため正式にはフラウィウスの円形闘技場Amphitheatrum Flaviumとよばれる。コロセウムという名は、そのわきに高さ32メートルにも及ぶネロ帝の巨像コロスス・ネロニスColossus Neronisが立っていたため、中世になってつけられた。長径188メートル、短径156メートル、周囲527メートルの楕円(だえん)形をなし、4階造りで高さ48.5メートル。約5万人の観衆を収容することができた。剣闘士(グラディアトル)同士の闘い、剣闘士と野獣との闘いなどが盛んに行われたほか、キリスト教迫害の時代には多くのキリスト教徒がこのコロセウムの中で野獣の爪牙(そうが)にかかって殉教した。なおコロセウムのあるローマ歴史地区は、教皇領、サンパオロ・フォーリ・レ・ムーラ教会とともに世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[市川雅俊]
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