内科学 第10版 「サザンブロット法」の解説
サザンブロット法(遺伝子診断)
サザンブロット法は,腫瘍のクローン性診断やウイルスDNAの組み込みの検出に臨床応用されている.プローブの標識には,放射性同位元素のほかにアルカリホスファターゼ(AP)などを用いた方法がある.遺伝子再構成があれば,正常とは異なるサイズのバンドを検出する.サザンブロット法では,腫瘍細胞や感染細胞が5~10%存在すれば検出することが可能である.サザンブロット法によるTCRやIGH遺伝子の再構成の検出が,リンパ系腫瘍のクローン性と細胞系列の推定に用いられる.成人T細胞白血病リンパ腫では,HTLV-Iプロウイルスを検出することによって,感染細胞のクローン性について検討できる.[谷脇雅史]
■文献
Jaffe ES, Harris NL, et al eds: World Health Organization Classification of tumors. In: Pathology and Genetics, Tumor of Hematopoietic and Lymphoid Tissues, IARC Press, Lyon, 2001.
滝 智彦,谷脇雅史:造血器腫瘍の染色体検査(遺伝子検査)(Medical Practice編集委員会編), pp566-568,文光堂,東京,2005.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報