サムナー線(読み)サムナーせん

百科事典マイペディア 「サムナー線」の意味・わかりやすい解説

サムナー線【サムナーせん】

ある時刻にある天体が同一の高度に見える地点は地球上で一つの円周上に並ぶ。これを位置圏というが,天文航法において,船の絶対位置は不明でも,ある仰角に天体を観測すればその時刻に対応する位置圏上にあることになる。実際には円周全部が必要ではなくその一部を直線として扱える。これを提唱者T.サムナーの名にちなみサムナー線,あるいは位置の線と呼ぶ。2天体を観測した両サムナー線の交点船位を示す。
→関連項目天文航法

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法則の辞典 「サムナー線」の解説

サムナー線【Sumner line】

航法学で,位置圏の一部分を直線であると見なしたときに,これを「サムナー線」と呼ぶ.サンティレールの法則*参照

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世界大百科事典(旧版)内のサムナー線の言及

【航海】より

…経度の測定でなぜ正確な時刻が必要かといえば,船の位置は,位置のわかっている天体の高度を観測して求めるが,この天体の位置はあらかじめ計算して天体暦(航海暦)に記載してあり,これがすべて世界時を基準としているので,正確な天体位置は正確な世界時を知ることが必要となるのである(一般に4秒の時間誤差は,経度1分の誤差を生む)。 このようにして,緯度と経度はそれぞれ求めることができるようになったが,位置の扱い方を飛躍的に向上させたのは,1837年のT.H.サムナーによる位置の線(サムナー線)の発見であった。位置の線は,測者(船)を含む特定曲線であるが,このサムナー線は,フランスの提督M.サン・ティレールにより実用化が示され,位置の線が航海の技術の中心の一つとなると同時に,近代航海の幕あけをもたらしたといえよう。…

※「サムナー線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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