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天文航法 テンモンコウホウ

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デジタル大辞泉の解説

てんもん‐こうほう〔‐カウハフ〕【天文航法】

天体の水平線上の高度を測定して船舶や航空機の現在位置を求め、針路を確かめて航行する方法。クロノメーター六分儀(ろくぶんぎ)などを使って行う。

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百科事典マイペディアの解説

天文航法【てんもんこうほう】

天体を観測して推測航法による位置を修正,正しい船位を知る方法。推測位置をもとに2天体に対する等仰角圏の交点を求める(サムナー線)。天体と水平線との垂直角は六分儀により,観測のグリニッジ時クロノメーターにより,また計算には航海表を利用する。
→関連項目航海表航海暦航法

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大辞林 第三版の解説

てんもんこうほう【天文航法】

天体の位置を観測し、船や飛行機の現在位置を求める航法。天測法。測天法。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天文航法
てんもんこうほう

天測航法」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

天文航法
てんもんこうほう

天体の高度を測って船の位置を定め、方位を測ってコンパスの誤差を求める航法。航海中の船の位置は、海流、潮流、風などの影響によって、時間とともにしだいに推測航法で求められる船位から偏位するので、ときどき、位置のわかっている目標を基準として、実際の船位を測定する必要がある。大洋航海中に見える目標といえば天体だけで、天文航法は、沿岸航海から一歩踏み出した時代から20世紀初めまでの、大洋航海における唯一の船位測定手段であった。20世紀に入ってからは、まず無線方位信号が利用され、続いて第二次世界大戦ごろから、各種の電波測位方式が用いられるようになった。
 天文航法では、きわめて波長の短い可視光線(0.000038~0.000081センチメートル)を利用するので、伝播(でんぱ)経路における減衰が著しく、天候によって天測のできない場合が、波長のはるかに長い(0.1センチ~30キロメートル)電波を利用する電波測位方式に比べて多い欠点はある。しかし、天体が見えさえすれば、地球表面上のどこでも、航海の安全を保証するに足るほぼ一定精度の船位が得られるという意味で、今日なお、もっとも信頼できる航法としての地位を失ってはいない。[川本文彦]

天文航法の特徴

位置の線の交点として船位が決定されることは他の航法と同じであるが、目標が天体である点に本質的な差異がある。沿岸航法における地形、地物はもちろん、電波航法における各種の電波航路標識も地球上に固定されているので、船が静止していれば船と目標との相対位置関係は変わらない。また、複雑な位置の線はあらかじめ海図に記入しておくことができる。
 天文航法では目標が地球の外にあり、たとえ船が静止していても、地球の自転と公転のために目標との相対位置は刻々と変化するし、あらかじめ位置の線を海図に記入しておくこともできない。またこのために、正確な観測時を知る精度の高い時計(クロノメーター)と、そのときの天体の位置が求められる天測暦を必要とする。地球から天体までの距離は無限大と考えられ、非常に遠くから見えるので、位置の線を求めるのにくふうを要するが、船位測定に都合よく利用できる点もある。[川本文彦]

位置測定の原理

O点にある高さhの目標Aを仰角aに測る点の軌跡は、Oを中心とし、半径がhcotaである円弧で表される(図Aの(1))。天体は高さが無限大の目標と考えればよいので図Aの(2)が成り立つ。すなわち、観測時の天体の位置Sが天測暦からわかると、Sと地球の中心Cを結ぶ直線が地表面と交わる点Aは容易に求められる。
 いま、測者がOにいるとすると、Oにおける地平圏の方向はOH、無限大の距離にある天体から地球への光は平行光線と考えられるからSC//SO、したがってOにおけるS天体の高度∠HOSをaとすると、∠ACO=90゜-aとなる。地心角1'に対する地表面上の弧長が1海里であるから、O点はAを中心とし、90゜-aに等しい距離を半径とする小圏OO'上にある。測者の位置がわからなくても、S天体の高度をaに測ったという事実から、測者はOO'圏上のどこかにいることがわかるのであって、この圏のことを天測位置の圏という。
 薄明時で多くの天体が同時に観測できるときには、このようにして求めた二つの位置の圏の交点として船位を決定することができる。交点は二つあるが、非常に遠く離れているので、どちらが船位であるかの判断に迷うことはなく、推測位置に近いほうを測定船位とすればよい。[川本文彦]

修正差法

球面上では簡単に描ける位置の圏も、実用航海に用いられる漸長図上では、図Bのように天体の赤緯と高度によって形が異なり、これを正確に描くにはめんどうな計算が必要で、非実際的である(曲線は高度が赤緯よりも大きく、は等しく、は小さい場合の図である)。この解決策として1875年、セント・ヒレヤMarcq St. Hilaireによって考案されたのが修正差法である。修正差法とは、測者が推測位置にいたとすると、観測時に、観測天体の高度および方位をいくらに測るはずであるかを計算し、実際に測定した高度と比較することによって、位置の圏の推測位置からの偏位量を修正する方法である。
 計算高度および方位は、天測計算表や計算機を用いて、図Cの球面三角形PAOを解いて得られるが、測定値が直接船位決定に利用できないのは天文航法だけで、天文航法がむずかしく、めんどうな航法といわれるのはこのためである。しかし、正確な時計、天測計算表または計算機、天測暦と天体高度を測定する六分儀さえあれば、外部の施設、設備に依存することなく船位が求められるという大きな利点がある。コンパス誤差は、天体の計算方位とコンパスによる測定方位を比較して求められる。[川本文彦]

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世界大百科事典内の天文航法の言及

【航法】より

… 人工衛星による航法方式の一つであるNNSS(Navy Navigation Satellite Systemの略)は,人工衛星からの電波のドップラー周波数を計数することで,一定の時間間隔の人工衛星位置と受信位置(移動体位置)との距離差を求めるもので,距離差の求め方は異なるが,この距離差によって得られる双曲面を利用して位置決定を行っている。航行衛星電波航法
【利用媒体による航法の分類】
 航法はその方法によってさまざまな形に発展分化してきており,慣例的に,地文航法,天文航法,電波航法,あるいは自立航法などの名で呼ばれている。これらの区分の基準は明示されないまま使用されているので,基準とともに示したのが表2である。…

※「天文航法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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