サラグモ(読み)さらぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラグモ」の意味・わかりやすい解説

サラグモ
さらぐも / 皿蜘蛛

節足動物門クモ形綱真正クモ目サラグモ科Linyphiidaeの総称。小形のものが多く、大きいもので体長5ミリメートル内外、小さいもので2ミリメートル内外。小形のものには雄の頭部が変化に富むものが多い。網が皿状、椀(わん)状、敷布状なのでサラグモといわれる。草の間でもっとも普通にみられる種にアシナガサラグモやシロブチサラグモ、木の梢(こずえ)にはツリサラグモやハンモックサラグモ、水田には小さいセスジアカムネグモなどがいる。種類がきわめて多く、各国で次々と新種が報告されている状態である。

[八木沼健夫]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サラグモ」の意味・わかりやすい解説

サラグモ
Linyphiidae; sheet-web weaver

クモ綱クモ目サラグモ科に属する種類の総称。歩脚が長く,体は円筒状。体長1~5mmの小型種が多い。皿網やシート網を草間や低木,落葉の間や土壌中の間隙などに張る。北半球北部で多様化した1群で,非常に種類が多く,日本産は 95属約 300種を数える。サラグモ属,ハナサラグモ属,アシヨレグモ属,ヒナサラグモ属,アカムネグモ属,ヒザグモ属,ニセアカムネグモ属などがある。 (→クモ類 )

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世界大百科事典(旧版)内のサラグモの言及

【クモ(蜘蛛)】より

…しかし網を張らないナガイボグモ科,ササグモ科もこれに含まれる。日本にはヒメグモ科,ホラヒメグモ科,サラグモ科,センショウグモ科,ヨリメグモ科,コガネグモ科,カラカラグモ科,アシナガグモ科,ナガイボグモ科,ヒラタグモ科,ホウシグモ科,ウシオグモ科,ミズグモ科,タナグモ科,ハタケグモ科,キシダグモ科,コモリグモ科,ササグモ科など21科がいる。二爪類Dionychaは2個のつめをもつクモで,毛束のあるものが多い。…

※「サラグモ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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