クモ類(読み)クモるい(その他表記)Araneae; spider

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クモ類」の意味・わかりやすい解説

クモ類
クモるい
Araneae; spider

クモ綱クモ目に属する種類の総称頭部胸部は融合して頭胸部となり,細い腹柄によって腹部とつながっている。眼は単眼で普通8個であるが,0,2,4,6個のこともある。歩脚は4対。口器は上顎 (鋏角) ,下顎,上唇,下唇から成る。上顎には牙があって毒腺に通じている。毒性は一般に人を害するほど強くはないが,なかにはセアカゴケグモのように有毒な種もある。腹端に出糸突起が2~4対ある。呼吸は気管のほか書肺で行うが,これらの位置は科の類縁関係を知るのに大切である。雄は一般に小さく,触肢の先端がふくらんでいる。この中に精液をたくわえ,そっと雌に近づくが,油断すると雌に食われてしまうおそれがあるので,種ごとに一定の求愛動作が発達している。世界に3万 5000種が知られ,そのほとんどは陸上生活をするが,池沼や潮間帯で2次的に水中生活をする種も若干知られている。行動の面からみると,一定の場所に固定して生活する占座性と,これに対する徘徊性とに分けられ,一方,網の面からみると,造網性と非造網性とに分けられる。網は円網,棚網,皿網,条網などいろいろな張り方がある。獲物を捕えると,牙を通して獲物に毒液を注入し,下顎からの消化液蛋白質を溶かし,ポンプ式の胃で吸取る。

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