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…その色彩は,簡潔ではあるが重厚な形態に平坦に区分され,《ヤコブと天使の争い》(1888)にみられるような宗教的ともいえる精神性を生みだした。浮世絵版画,エピナル版画,ステンド・グラス等に影響されたこうした区分主義(クロアゾニスムcloisonnisme)により,〈主調色にのみ注目しつつ行われる,形と色彩の総合〉が可能となり,画面全体は暗示にとんだ,まさに総合的な装飾性を獲得する(総合主義またはサンテティスムsynthétisme)。こうして,88年から90年にかけて,〈ゴッホの耳切り事件〉に結末をみるアルルでのゴッホとの共同生活をはさみ,一連の象徴主義的な傑作,すなわち《黄色いキリスト》(1889),《処女喪失》(1890),《恋する女たちであれ》(木彫,1889)等が制作され,ゴーギャンは象徴主義絵画の第一人者と目される。…
※「サンテティスム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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