点描(読み)テンビョウ

  • てんびょう ‥ベウ
  • てんびょう〔ベウ〕

デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
線を用いず、点または点に近い短い筆触で表現する画法。東洋画には米法(べいほう)山水などの手法があり、西洋近代絵画では、印象派の画家が画面にいろいろな色彩の点を並置することによって視覚の中で混合する効果を応用。さらにスーラがその技法を徹底し新印象主義を確立した。点描法
人物・物事の特徴的な部分をとらえて簡潔に描写すること。スケッチ。「庶民生活を点描する」

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大辞林 第三版の解説

スル
線を使わずに、点またはごく軽いタッチで描く画法。山水画の米点べいてんや、印象派が行なった異なる色の並置によって視覚混合を生じさせる描法など。点描法。
人物や事物の特徴的な部分をとらえて、簡潔に描写すること。 下町の人情を-した作品

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フランス新印象主義の画家スーラ(1859―91)の案出した絵の具の塗り方で、絵の具を重ね塗りすることなく小さな斑点(はんてん)を並べてゆく技法のこと。印象派の考えた色調分割の技法をより徹底させたもので、これによって画面の統一感が高まり、また全体的な明るさも保証される。シュブルールMichel E. Chevreul(1786―1889)その他の光学理論、色彩学理論の影響下に成立した技法で、色調分割とか分割主義とかいう場合には色彩の視覚混合の意味を含み、単に点描主義pointillismeというときには、多くの斑点の並置のみをさすことが多い。この技法はシニャック、ピサロ、ゴッホ、マチスらにも影響を与えた。また、画面をこのように冷静な科学的態度で完成させようとする傾向はキュビスムや抽象美術を予告するものでもあった。
 似たような技法は東洋にもある。米(べいふつ)(1051―1107)の創始した米点(べいてん)がそれで、中国および日本の南画で山水の湿潤な感じを出すために愛用された。[池上忠治]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 絵画表現技法の一つ。点あるいはそれに近い短い筆触でき、形を色の点によって構成する。
※鶫の巣(1930)〈岡田三郎〉「斑な光線が、〈略〉印象派の画のやうな美しい点描(テンベウ)を与へ」
② 人物や物事の特徴的な点を部分的に描写すること。簡単に部分を描写すること。
※前期自然主義文学(1949)〈瀬沼茂樹〉二「緑雨は蛯原の点描によれば『写実的ゾラ一流の小説家』に擬せられたことがあるということだが」

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